研究領域

ホームケア&サロンケア、お客様の肌や気持ちの変化に寄り添い、共に歩んできたシーボン。化粧品を使用するだけではかなえられない美肌への変化がそこにはありました。皮脳同根、腸脳相関、細胞間コミュニケーション等、肌と心と体を繋ぐメカニズムを解明し、ホリスティックな考えに基づき、各種の研究を推進しています。

美容科学

シーボンでは、化粧品の成分や製品の開発・検証だけでなく、お客様がサロンでお過ごしいただく時間をより豊かなものにするために、肌カウンセリングシステムや美容法について、産学連携による研究開発を行っています。様々な人・場所・概念が交わる場面で「架け橋」となるシステムやサービスを研究開発することで、シーボンのブランド力向上や、新たな知見に基づく社会への還元に貢献したいと考えています。

サロン体験をより豊かにする肌カウンセリングシステムの研究開発

お客様の肌状態をきちんと把握することは、シーボンの美肌づくりの基本です。
肌撮影機エピスキャンやアップカメラを使って、肌状態を客観的にチェック。お手入れ前後の肌変化や過去のデータと比較し、一人ひとりの肌状態に合わせた製品のご提案ができるよう、サービスデザインの観点からシーボン独自の肌カウンセリングシステム(ビューティログアドバイスナビゲーター®)の研究開発を行っており、お客様のサロン体験がより豊かなものになることを目指しています。

東洋式フェイシャルケアをはじめとする美容法の効果やメカニズムの科学的検証

シーボンが提供する東洋式フェイシャルケアは、健康は身体全体のバランスの上で成り立つという東洋医学の考え方に基づいて開発されました。
この美容法による心身への効果を科学的に検証するため、外部機関と連携しながら、脳活動や全身への影響を評価しています。

東洋式フェイシャルケア

お客様へのアフターサービスとして提供しているシーボンオリジナルの東洋式フェイシャルケアでは、肌が本来持っている美しさを引き出すために、周りにある美肌ポイントに刺激を与えることで、巡りを促します。

皮膚科学

「人体最大の臓器」である皮膚。人体の恒常性を維持する重要な役割を果たすため、複雑な構造を持っており、外界からの刺激(紫外線などの光や、微生物、摩擦などの物理的刺激)に晒されているほか、体内からの刺激(内分泌系、神経系、免疫系など)にも敏感に反応します。また、老化という生物学的な時間変化によっても、その機能は変化します。
 そこでシーボンでは、これら刺激や老化といった皮膚に影響を与える要素や、そこから皮膚がどのような影響を受けるのか、そのメカニズムを明らかにし、新たな機能性成分の探索やスキンケアアプローチを実現してまいります。

精神ストレス因子が皮膚に与える影響に関する研究

女性の社会進出や単身世帯の増加、価値観やライフスタイルの多様化にともない、精神的ストレスにさらされる機会も増えています。そのような背景から、シーボンでは精神的ストレスがもたらす皮膚の影響を体内の神経系や内分泌系、免疫系などに着目した研究を行っています。

3次元皮膚モデルの断面を蛍光顕微鏡で観察した様子

外的ストレス因子が皮膚に与える影響に関する研究

近年、異常気象や地表への紫外線到達量の増加など自然環境は著しく変化しています。特に紫外線は皮膚にダメージを与えシミやシワの原因となります。また、大気の乾燥、花粉やPM2.5、ハウスダスト、皮膚常在菌バランスなども皮膚に影響を与えるといわれています。
このような外部要因により肌がどのようにしてダメージを受けるのか、そのメカニズムを解明するため、様々な視点から研究を行っています。

剥離した角層細胞を光学顕微鏡により観察した様子。黒い粒子はメラニン顆粒

皮膚老化現象に関する研究

ヒトの肌は年齢を重ねるにつれ様々な老化の兆候が表れ始めます。女性のQuolity of Life(QOL)の向上を目指し、シーボンでは加齢にともなう肌状態の変化に関連する研究を行っています。
肌に関する見た目の変化や、皮膚組織の状態変化、皮膚細胞における機能変化など、様々な視点から検証を重ね、老化現象の原因解明と最適なスキンケアの提案を目指しています。

製剤化技術

化粧品には、クレンジングや洗顔料、化粧水、乳液、クリームなど、様々な剤型が存在します。それぞれ洗浄や保湿等の機能面以外にも、お客様が感じる心地よさや使い勝手の良さといった使用感も、化粧品にとって重要な要素となります。

また、お客様のニーズに合わせて、化粧品には油や界面活性剤、水や保湿剤、植物抽出液等多種多様な成分を配合することから、安全性、安定性、機能性などを実現するための製剤化技術の向上が欠かせません。

スクワランへのこだわり

スクワランは皮脂中に含まれるスクワレンを安定化したもので、化粧品に配合することにより、肌のうるおいを保つ効果があります。
シーボンでは、このスクワランをスキンケアにおいて重要な成分として位置付けており、クレンジングから、化粧水、美容液、クリームなどの様々な製剤に高品質なスクワランを配合する技術を確立しています。

ゲル乳化技術

乳化は、水と油のように互いに溶解しない液体をもう一方の液体に分散させる技術です。 通常の乳化方法では、温度や機械力など、高いエネルギーを必要としますが、シーボンでは、低エネルギーで安定的に乳化粒子をナノサイズに分散させるゲル乳化技術を活用。スクワラン等の油を微細に分散させる技術を製品開発に応用しています。 肌への有効性が高い成分の中には、水や油への溶解性の低さや化学的に不安定であることから、化粧品に配合することが困難とされているものもあります。これら成分を安定して配合する、あるいは肌への効果をより高めて配合するために、これまで培ってきた技術を基盤として、さらなる発展を目指してまいります。

偏光板の間にゲルを置いた時の外観

左:通常の乳化法で調製した乳化物の外観
右:ゲル乳化法で調製した乳化物の外観
ゲル乳化法で調製すると、乳化粒子が微細になることで、青白く、透明な外観になる。

液晶技術の応用

液晶は、液体と固体(結晶)の両方の性質を併せ持つ特殊な状態のことを指します。テレビやパソコンのディスプレイなどにも使用されていますが、化粧品分野においてもその特殊な性質を応用した技術が開発されています。
シーボンでは、液体や固体の状態から液晶状態へと変化する相転移現象を、乳化技術や製品の機能性発現に応用。これからも液晶技術の向上を図り、様々な特徴を持つ製剤を開発することで、多様化するお客様のニーズに応えてまいります。

液晶乳化法を応用して調製した乳化物を透過型電子顕微鏡で観察した写真

原料開発

シーボンでは、お客様が安心してお使いいただける、これまでにない新たな機能を持った原料の開発にも取り組んでいます。
美容科学や皮膚科学の研究から得られた知見を活かし、独創的で高い機能性を持った原料を開発すべく、素材の探索や成分の分析、機能性の評価を行っています。開発にあたっては、安全性や機能性はもちろんのこと、自然環境や社会倫理などにも配慮し、持続可能な開発を目指しています。