付着させない、すぐ落とす、そして・・・
教えて!赤須先生〜秋から初冬にかけての花粉による肌荒れ対策〜

花粉症の症状は、くしゃみや鼻水、目のかゆみだけではありません。顔には花粉が付着しやすいため、肌に症状が出ることもあります。中でも今回は、秋から初冬にかけての時期に飛散する花粉が肌に与える影響や、花粉による肌荒れ対策を、皮膚科専門医の赤須先生に伺いました。


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Profile


赤須医院院長
赤須 玲子 先生

山梨大学皮膚科、トロント大学病理学教室を経て、1998年六本木に赤須医院を開設。確かな臨床経験と美容に精通したきめ細やかな診療が定評。専門はニキビ、シミ、ホクロ、スキンケア全般。
著書:「顔そりスキンケア」「2週間でつるつる美肌になる本」(マキノ出版)など。
○医学博士
○日本皮膚科学会専門医
○株式会社シーボン顧問皮膚科医

秋から初冬にかけての花粉の特徴・肌への影響 編
肌につきやすく、
大気の乾燥や紫外線が肌荒れに拍車をかける。

Q 秋から初冬にかけて飛散する花粉と、春の花粉の違いは?

春の花粉症は高木のスギやヒノキが原因です。一方、この時期に飛散する花粉はブタクサやヨモギなどの背の低い野草になります。

道路脇などに生えているので肌や体につきやすく、肌荒れやくしゃみ、目のかゆみなどの症状としてあらわれてきます。

これは春も同じですが、花粉の表面に付着したたんぱく質が刺激となり、かゆみや赤みなどが起こることがあります。

特に症状が出やすいのは、まぶた、頬、首など。かゆくなって赤く腫れ、乾燥して、ピリピリ、ヒリヒリすることもあります。なかには、ジクジクして湿疹のようになる人もいます

Q 肌環境にはどのように影響を与えていますか?

秋から初冬にかけては、花粉の飛散とともに大気の乾燥が進みます。また、昨今では地球温暖化にともなう紫外線量の増加や大気汚染も肌荒れの原因となっています。

肌は乾燥することでバリア機能が低下し、肌荒れを起こしやすい状態になります。肌質別では、このような症状があらわれるのが特徴です。

〈乾燥肌〉
顔全体に赤みやヒリヒリ、カサつきがあらわれます。年齢とともに肌は乾燥しやすくなりますが、若い方でも、食生活や生活環境が乱れてくると肌全体が安定しにくくなります。

〈脂性肌〉
毛穴につまった皮脂に花粉や乾燥による炎症が加わって、肌が荒れやすくなります。主にあごから首にかけて出やすく、生理前に悪化する傾向があります。

〈敏感肌〉
乾燥性脂性肌の方は特に肌が敏感になりがちです。クリームの量が多すぎるなど、間違ったスキンケアの影響で油分過多になると、かゆみや赤みが主にTゾーンにあらわれやすくなります。

この時期は、こうした肌環境に花粉が加わり、さらに肌荒れを起こしやすくなっているのです。

秋から初冬にかけての花粉による肌荒れ対策 編
まずは、花粉から肌を守る。
帰宅後はすぐに洗顔、肌に刺激を与えない。

Q 外出前・帰宅後にできることは?

顔や首に花粉が付着しないようにすることが重要です。

外出するときは、マスクやメガネ、帽子、首を隠す服などでガードするとよいでしょう。肌を花粉や乾燥、紫外線から守る意味では日やけ止めだけでは不十分です。

ファンデーションをつけることによって、日やけ止めの効果を補うことが期待できます。花粉やほこり、乾燥からも肌を守るために、パウダリーファンデーションやフィニッシュパウダーをつけるのも一案です。

帰宅後はすぐにほこりを落として洗顔することをおすすめします。洗顔はダブル洗顔を。オイルかクリームクレンジングのあとに泡洗顔をするとよいでしょう。洗顔の際は、T ゾーンからはじめてU ゾーンは軽く洗顔するのがポイントです。

アミノ酸系の洗顔料は、一般的に肌にやさしく刺激が少ないとされています。ゴシゴシ擦らないこと、そして洗い残しがないようにしっかりすすぎましょう。そのあと、バリア機能保持のために保湿も忘れずに。肌質に合ったスキンケアをしてください。

Q 肌が荒れていると感じたら?

肌に炎症がない場合は、洗顔やスキンケアに気をつけることで肌を健やかに保ちやすくなります。肌に炎症がみられる場合は、自分で判断せず、まずは皮膚科などの医療機関に相談しましょう。

皮膚科では症状がひどい場合にはステロイド外用剤を処方することがあります。数日で症状が改善するので、落ち着いたら使用を中止します。また、ニキビ(毛嚢炎)がたくさん出ている場合には、医師が抗生剤の内服や外用を処方することもあります。

秋から初冬にかけての花粉による肌荒れ予防 編
肌質に合うスキンケアと肌によい生活で、
肌のバリア機能を高めておく。

Q 肌のバリア機能を維持するために大切なことは?

日頃から肌のコンディションを整えておくことに尽きます。そのためにおすすめの対策が、「刺激を与えない」ことと「乾燥させない」ことです。

化粧品による刺激や、洗顔の際に手でこするなどの物理的な刺激をできるだけ減らして、角層を傷つけないようにします。アレルゲンは傷からも入りやすくなるので注意してください。

また、洗顔後は保湿を十分に行いましょう。表皮の細胞は通常 30%の水分を保持していますが、乾燥や洗顔のしすぎで水分量は減ってきます。この水分を逃がさないために、細胞間脂質といわれるセラミドやヒアルロン酸を含むアイテムでうるおいを補うのもおすすめです。

一方避けた方がよい成分は、アルコールを含むものや香料、色素のきついものです。また、肌質によっても、脂性肌の方はこってりしたクリームなどは避け、さらっとした化粧水や美容液を中心に補うようにしてください。

Q 日常生活で気をつけることは?

睡眠を確保することはとても大事です。22 時から2時までは副交感神経が優位になる時間なので、肌が健やかに整うよう、しっかり休息をとりましょう。

食事はビタミン B2とB6 を多めに摂るようにします。炭水化物や甘いもの中心の食事は肌のバランスを崩すことがあるため注意しましょう。

またストレスを感じている人は、自分でストレスから逃れる方法を考えましょう。ストレスフルな生活は肌荒れの原因になります。ゆっくりバスに浸かったり、アロマの香りを嗅いだり、心地よい音楽を聞いたりするのもよいでしょう。

最後に、赤須先生からのメッセージ

秋から冬にかけての花粉による肌荒れを防ぐには、夏の強い紫外線と乾燥によるダメージから早く肌を回復させることが先決です。そのためには、肌の声を聞いて、適切な対処をすることが大切です。

洗顔後、肌をじっくり見るようにしてください。拡大鏡があれば、さらに細かいところに気づくことも。肌に触れたときに、肌荒れの初期症状であるカサつきやザラつきがないかも確認してみてください。肌と丁寧に向き合うことが、予防・早期対処につながります。

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