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赤須医院院長
赤須 玲子 先生
山梨大学皮膚科、トロント大学病理学教室を経て、1998年六本木に赤須医院を開設。確かな臨床経験と美容に精通したきめ細やかな診療が定評。専門はニキビ、シミ、ホクロ、スキンケア全般。
著書:「顔そりスキンケア」「2週間でつるつる美肌になる本」(マキノ出版)など。
○医学博士
○日本皮膚科学会専門医
○株式会社シーボン顧問皮膚科医
「たるみ毛穴」の原因・メカニズム 編
顔のたるみは毛穴から始まる。
肌の深部や「土台*」の変化を見逃さないで。

Q たるみ毛穴とは、どのような状態を指すのでしょうか。
顔の毛穴が縦に楕円形、あるいは「しずく型」に伸びている状態を指します。
これは毛穴自体のトラブルのみならず、年齢とともに生じる顔全体の「たるみ」と連動して起こる現象です。真皮にあるコラーゲンやエラスチンが減少して皮膚の支えが弱くなり、頬の部分で特に目立って現れます。
*土台:角層

Q 何歳くらいから気になり始めるものですか?
実は、大きく分けてターニングポイントが3回あります。
■第1段階(25歳前後〜)
コラーゲンの生成が低下し始める頃です。
■第2段階(45歳〜50歳)
更年期を迎え、女性ホルモンが減少して肌のみずみずしさが失われるとともに、骨密度や筋肉量も落ち始める頃です。
■第3段階(65歳〜)
老年期に入り、食事量の減少による栄養不足や骨格の変化が一気に進む頃といえます。
Q 肌質によって目立ちやすさに違いはありますか?
肌質に関係なく、オイリー肌でも乾燥肌でも起こります 。
オイリー肌の方は皮脂が毛穴を押し広げることで目立ち、乾燥肌の方は表面の水分不足による「地割れ」のような状態で目立ちやすくなります。
Q 自分の毛穴が「たるみ毛穴」かどうか見分ける方法は?
拡大鏡で見るとわかりやすいですが、一番簡単なのは「皮膚を持ち上げてみること」です。
指で頬を上に引っ張った時に毛穴が小さくなるなら、それは「たるみ毛穴」と考えられます。一方、触ってザラザラしたり、酸化した皮脂のニオイがしたりする場合は「詰まり毛穴」や「黒ずみ毛穴」の可能性が高いでしょう。
「たるみ毛穴」へのスキンケア対策 編
「保湿しすぎ」も「洗いすぎ」もNG。
10分間のセルフチェックで、自分の肌質に合うスキンケアを。

Q たるみ毛穴を防ぐために、保湿で気を付けることはありますか?
意外かもしれませんが、「保湿しすぎ」には注意が必要です。
油分の多いクリームなどを過剰に塗り重ねると、その重みや油分自体が毛穴に詰まり、さらに毛穴を押し広げてしまうことがあるからです。一方で、過度な洗顔による乾燥もたるみを加速させます。
Q 自分に合った保湿量を見極める方法はありますか?
「10分間放置チェック」をおすすめします。洗顔後、何もつけずに5分〜10分待ってみてください。
1. 肌が激しく突っ張り、10分経ってもカサつきが続くなら「乾燥肌」。
2. 最初から突っ張りを感じない場合は「オイリー肌」。
3. 肌の突っ張り感があり、Tゾーンに皮脂が出てくるなら「混合肌」。
4. 突っ張りやベタつきを感じないなら「普通肌」。
この結果に合わせて、化粧水や美容液、乳液、クリームなどの量を調節しながらお手入れをしてください。
Q たるみ毛穴におすすめの美容成分を教えてください。
コラーゲンの生成を助ける「ビタミンC」や「レチノール(ビタミンA誘導体)」、さらに「ナイアシンアミド」などがおすすめです。
スキンケアの順番は、水っぽいものから徐々に固形のものへと重ねていく「足し算」を意識してください。ベースをしっかり整えてから薄くファンデーションを塗ることで、毛穴も自然にカバーできます。
「たるみ毛穴」を加速させない生活習慣 編
紫外線対策、姿勢、そして食事。
体の内側と「外からの刺激への対策」の両面ケアを。

Q 紫外線はやはり影響しますか?
非常に大きく影響します。特にUVA(紫外線A波)は、年間を通して降り注ぎ、肌の奥のコラーゲンやエラスチンを破壊して弾力を奪います。
室内にいてもUVAの影響を受けるため、日やけ止めを選ぶ際は「PA」の数値を確認し、一年中対策を怠らないでください。
Q 姿勢(スマートフォンやPCの使用)なども関係があるのでしょうか。
大いに関係があります。
スマホを長時間見るような前傾姿勢(ストレートネック)や猫背は、首や顔の筋肉を硬直させ、めぐりを悪化させます。
代謝が落ちることで肌の老化を早め、結果としてたるみ毛穴を引き起こす一因になるため、日頃からストレッチなどを取り入れましょう。
Q 食生活で意識すべきポイントは?
肌の材料となる「タンパク質」と、その合成を助ける「ビタミンC」を多めに摂ることが基本です。
骨密度の低下も顔のたるみの原因になるため、バランスのよい食事で全身の健康を保つことが、巡り巡って「毛穴の目立たない肌」につながります。
番外編:美容医療という選択肢
スキンケアで限界を感じたら、
プロの力を借りるのもひとつ。
Q 美容クリニックではどのような治療が行われますか?
「ダイオードレーザー」で毛穴組織に働きかけたり、「ツリウムレーザー」で皮膚の深い部分のコラーゲンを増生させたりして、周りから毛穴を押し縮める方法があります。
また、熱や超音波で組織を引き締める「サーマクール(高周波)」や「HIFU(ハイフ)」もたるみ治療の選択肢です。まずは塗り薬から始め、必要に応じて専門医に相談してみるのもよいでしょう。
最後に、赤須先生からのメッセージ
「一度しずく型に伸びてしまった毛穴は戻らない」と諦めてしまう方が多いのですが、そんなことはありません。日々の洗顔を見直し、紫外線対策や日々の姿勢、食生活の改善に加え自分に合った適切な保湿を継続することで、肌は応えてくれます。
まずは今の自分の肌の状態を正しく知ることから始めてみませんか。丁寧なスキンケアを積み重ねれば、数ヶ月後には今よりずっと、自信の持てる肌に出会えるはずですよ。


