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赤須医院院長
赤須 玲子 先生
山梨大学皮膚科、トロント大学病理学教室を経て、1998年六本木に赤須医院を開設。確かな臨床経験と美容に精通したきめ細やかな診療が定評。専門はニキビ、シミ、ホクロ、スキンケア全般。
著書:「顔そりスキンケア」「2週間でつるつる美肌になる本」(マキノ出版)など。
○医学博士
○日本皮膚科学会専門医
○株式会社シーボン顧問皮膚科医
温活の基礎知識編
体が温まると、全身の細胞が活発に。
美しい肌の要「ターンオーバー」にもよい影響が!

Q 「温活美容」とは、どのような美容法ですか?
一年を通して、冷えや肩こりに悩む女性は少なくありません。
その主な原因は、代謝の低下や血行不良による血流の滞りにあります。血流が悪くなると、肌がくすんだり、むくみやすくなったり、肌荒れが生じたりします。
さらに、基礎体温の低下、運動不足による筋肉量の減少、免疫力の低下、自律神経の乱れなども、血流の悪化に拍車をかけます。
加えて、不規則な食生活やシャワー中心の入浴、エアコンによる冷えといった生活習慣も、体調や肌の状態を乱す要因となっています。
このような不調に対処するには、入浴や食事、運動などを通じて体を温め、代謝や免疫力を高めることが大切です。こうして体や肌を整えていくアプローチを「温活美容」と呼びます。
Q 温活が体全体の健康に与える影響は?
主な影響として、代謝アップによるダイエット効果が期待できるかもしれません。
また、温活はむくみや便秘のケアにもつながると考えられています。寒い季節には、体をしっかり温めることで、寝つきがよくなります。さらに、免疫力の向上により、風邪などの感染症にもかかりにくくなる可能性があります。
普段からシャワーだけで済ませがちな方は、バスタブに浸かって体を芯から温める習慣を心がけましょう。
食事面では、タンパク質やビタミンB・C・Eを意識的に取り入れてみてください。例えば、サラダよりも温野菜を選び、冷たい飲み物より温かい飲み物を選ぶことで、内側からの温活につながります。
ただし、暑い季節の場合は、温活を実践するのが難しいケースもあります。ご自身の体調や生活スタイルに合わせて、できることから少しずつ始めてみてください。
Q 温活の肌への具体的な効果は?
体を温めることで、全身の細胞ひとつひとつの活動が活発になります。それによって肌のターンオーバーのサイクルが正常化し、肌悩みが起きにくくなっていきます。
入浴やホットパックなどで肌を温めると、血行が促進され、新陳代謝が高まり、くすみやむくみのケアにもつながります。スキンケアの前に、熱いお湯に浸して軽く絞ったハンドタオルを目のまわりにのせるだけでも、温熱効果が得られておすすめです。
また、体温が上がることで、肌の免疫力も高まるため、紫外線や乾燥といった外的刺激によるダメージを受けにくくなります。
温活の医学的データ編
体温を1度上げるだけで、代謝も免疫力も変わる。
乾燥肌、冷え症、寝つきが悪い人におすすめ。

Q 温活による美容効果を裏付けるものはありますか?
現代人は基礎体温が低下傾向にあるといわれています。
“冷えは万病のもと”という言葉もありますが、体温が1度上がると、基礎代謝が10%前後上がり、免疫力が数倍になるという医学的なデータもあります。
また、入浴時の温度を38度に設定して1日20分間浸かるという温活を、週に4~5回、8週間続けると皮膚の微小循環が改善するというデータも。健康はもちろん、美容のためにも、毎日38~40度のぬるめのお湯に長く浸かることをおすすめします。
Q 温活効果を実感しやすいのはどんな人ですか?
温活の効果を実感しやすい人として、乾燥肌の方、冷え症になりやすい方、高齢者、寝つきが悪い方、生理不順やPMSに悩む方などがあげられます。
例えば、乾燥肌の方は汗腺や皮脂腺の働きが低下しており、血行が滞りがちです。そのため、色白に見えたり、顔色が悪く見えたりすることがあります。このような場合、温活によって血流が促進されることで、肌の状態が整いやすくなります。
さらに、血行不良は寝つきも悪さにも関係しています。冬はもちろん、夏のエアコンによる冷えにより手足が冷たい状態になるため、眠りづらくなることがあります。
それぞれ悩みや症状にあわせて、温活を取り入れてみてください。
温活の注意事項編
カイロや湯たんぽでの低温やけどに注意。
心臓に不安がある方は長時間・高温の入浴を避けて。
Q 間違った温活による肌トラブルなどの事例は?
カイロや湯たんぽなどの使用方法を誤ると、低温やけどを引き起こすことがあります。
例えば、20代の女性がカイロを肌に当てながら眠ってしまい、足に潰瘍ができてしまったケースがありました。また、湯たんぽを使っていて低温やけどになったという例もあります。
低温やけどは、通常のやけどのように強い熱さを感じにくく、炎症も起きにくいので、見てはじめて気づく方が多いようです。あまり赤みもないけれど傷が深くて治りにくく、治療にも時間がかかるので注意が必要です。
また、心臓病の方は長時間の入浴や高温での入浴は負担がかかるため避けるようにしてください。
最後に、赤須先生からのメッセージ
肌のためにも、冬だけでなく一年中温活することをおすすめします。
私も生姜湯を飲んだり、毎日湯船に浸かったり、自分が美味しいと感じたり、気持ちいいと思えることを続けています。
お風呂、ホットタオル、ホットドリンク、ツボ押し、マッサージなど、ご自身が心地よいと感じる温活を組み合わせて続けてみてください。肌はもちろん、体への効果も感じられるはずです。


