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赤須医院院長
赤須 玲子 先生
山梨大学皮膚科、トロント大学病理学教室を経て、1998年六本木に赤須医院を開設。確かな臨床経験と美容に精通したきめ細やかな診療が定評。専門はニキビ、シミ、ホクロ、スキンケア全般。
著書:「顔そりスキンケア」「2週間でつるつる美肌になる本」(マキノ出版)など。
○医学博士
○日本皮膚科学会専門医
○株式会社シーボン顧問皮膚科医
「粉吹き肌」のメカニズム 編
白い粉の正体は、剥がれかけた古い角質細胞!
粉吹き肌の 2 大原因は「肌の乾燥」と「加齢」でした。

Q なぜ冬になると、肌が粉を吹くの?
冬場の乾燥した空気や、エアコン(暖房)による湿度の低下、強風などによって皮膚の水分が奪われやすくなると、表面に粉が吹いた状態になります。
この白い粉の正体は、乾燥や刺激などによって剥がれかけた「古い角質細胞」です。
Q 年齢による肌の変化との関係は?
年齢を重ねると、肌のバリア機能を担う「セラミド」などの細胞間脂質や、水分を蓄える「天然保湿因子(NMF)」が減少します。
また、皮脂膜を形成する皮脂の分泌量も低下するため、若い頃に比べて外部刺激を受けやすくなり、少しの乾燥でも粉を吹きやすい状態になってしまうのです。
また、40 歳を過ぎると閉経に近づき、女性ホルモン(エストロゲン)が減少するとともに、肌のうるおいが失われていきます。
60 歳以降の方の 95%は皮脂分泌の低下による乾燥を自覚しています。加えて、ターンオーバーの周期が長くなることで、古い角質細胞が肌に残りやすくなることも、粉を吹く原因のひとつです。
「粉吹き肌」の生活習慣 編
栄養の偏りや、糖分・アルコール摂取、間違った入浴、睡眠不足も、「粉吹き肌」の原因に。

Q 生活習慣が与える影響は?
生活習慣は、肌の「バリア機能」と「ターンオーバー」に直結しているため、「粉吹き肌」とは切っても切れない関係にあります。
〈食事〉
普段からバランスのよい食生活を。栄養不足だけでなく、糖分やアルコールの摂りすぎも保水力の低下や脱水を引き起こし、肌の乾燥につながります。
〈入浴〉
入浴時の熱すぎるお湯は、皮脂を奪って肌を乾燥させます。肌を擦りすぎると、必要な皮脂まで落としてしまうため良くない習慣といえます。
〈睡眠〉
良質な睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、ターンオーバーを整えて皮膚の回復を早めます。ストレスや多忙で睡眠のバランスが崩れると、肌の調子も悪くなります。
「粉吹き肌」の改善ケア 編
肌への刺激を抑えて、徹底的に保湿ケアすること。
痒みや赤みが続く場合は、皮膚科の受診を。
Q 粉吹き状態の肌の洗顔・スキンケアは?
ダブル洗顔を避け、クレンジングのみ、または洗顔料のみで十分です。
お湯の温度はぬるま湯程度で、朝は洗顔料を使わずぬるま湯のみだけでも良いでしょう。肌を擦らず、泡で包み込むように洗う「泡洗顔」をしてください。ただし、石鹸は脱脂効果が強いため、乾燥しやすい時季は避けたほうが無難です。
洗顔後はすぐに保湿をすることが大切です。化粧水で水分をたっぷり補給した後、乳液やクリームなどの油分で蓋をします。
特に乾燥が気になる部分には、クリームなどを重ね塗りし、最後にワセリンを薄く塗ってください。液状のものから固形のものへと重ねていく「足し算のスキンケア」をおすすめします。
Q おすすめの保湿成分とその理由は?
保湿成分の中で、ヒアルロン酸やグリセリンは皮膚組織の水分を抱え込んで保持します。
セラミドは角質細胞同士を接着して肌にハリを出す効果があり、ワセリンやオイル、スクワランは水分の蒸発を防ぐ役割を果たします。これらの成分が配合された化粧品を選んでみてください。
Q 皮膚科を受診する目安は?
痒みや赤みといった炎症症状があるときや、スキンケアを見直しても肌荒れが治らない場合、また保湿剤のみでは乾燥が改善しない場合は、皮膚科の受診をおすすめします。
ステロイド剤を塗布する場合は、1 日 2〜3 回、痒みがあるときに塗り、症状が良くなったら中止します。長期間漫然と使うのではなく、症状があるときに短期間(長くても 1 週間程度)の使用に留めてください。
「粉吹き肌」の予防ケア 編
まずは、食事・睡眠・入浴の見直しを。
体の内外から「保湿重視」の生活へのシフトがおすすめ。

Q 食事、睡眠で気をつけることは?
肌のバリア機能を高めるために、肌の材料となるタンパク質や、肌の健康を保つビタミン A・B 群・C・E などを意識してバランス良く摂取しましょう。
逆に、糖分やアルコールの過剰摂取、過度なダイエットはバリア機能を低下させるので注意してください。
また、ターンオーバーを整えるため、6〜8 時間程度の質の良い睡眠を確保しましょう。室内の空気が乾燥しないよう、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%が目安)を保ち、エアコンの風が直接肌に当たらないようにしてください。
寝る前には、体を温めるホットドリンクがおすすめです。リラックス効果に加え、血管が開いて血流を促し、酸素や栄養が皮膚に運ばれるため、就寝中の肌の修復を後押ししてくれます。
Q 入浴時の温度や入浴後のケアについて教えてください
お風呂の温度は 38 度から 40 度くらいに設定しましょう。
肌が乾燥しているときは、入浴剤や柚子湯なども控えたほうが良いでしょう。乾燥した肌は外部からの成分が入りやすくなっているため、かえって刺激になることもあります。
洗い方も、ボディソープを手に取って体を撫でるように。入浴後、タオルで体を拭く際も、擦らずに柔らかいタオルで押さえるように水分を拭き取りましょう。
そして大切なのが、お風呂上がりの「すぐ保湿」です。オイルでもクリームでも、好みの使用感や香りで選んで構いません。乾いてから塗るのではなく、水分が少し残っている「半乾き」くらいの状態で塗ると、肌への浸透*が良くなります。
*浸透:角層まで
最後に、赤須先生からのメッセージ
「粉吹き肌」は 10 月くらいからあらわれ、11 月になると顕著になってきます。そのため、早めのケアが重要です。乾燥が進む前に日々の保湿を心がけてください。
日中に粉吹きが気になる場合は、ミスト化粧水などで軽く保湿しても良いでしょう。とにかく「冬は保湿」が美肌キープの秘訣です!


