正しい摂取とスキンケアで、実感が高まる!? 教えて!赤須先生〜ビタミンCの肌への効果と取り入れ方〜

夏に向けて紫外線が強くなってくるとシミやくすみが気になり、ビタミンCの必要性を感じます。実際にビタミンCのもつ性質や効果、ビタミンCの取り入れ方など皮膚専門医の赤須先生に教えてもらいました。


この記事は約5分で読み終わります。

Profile


赤須医院院長
赤須 玲子 先生

山梨大学皮膚科、トロント大学病理学教室を経て、1998年六本木に赤須医院を開設。確かな臨床経験と美容に精通したきめ細やかな診療が定評。専門はニキビ、シミ、ホクロ、スキンケア全般。
著書:「顔そりスキンケア」「2週間でつるつる美肌になる本」(マキノ出版)など。
○医学博士
○日本皮膚科学会専門医
○株式会社シーボン顧問皮膚科医

ビタミンCの性質や効果「基礎知識」 編
免疫機能を高め、疲労を回復。
ニキビや肌荒れ、肝斑などのシミにも有効。

Q ビタミンCはどんな働きをする成分ですか?

ビタミンCは美白の成分として知られていますが、それだけではありません。身体にとってとても重要な働きがあり、免疫機能を高めて風邪を予防したり、病気の快復に役立つことはよく知られています。また、スポーツの後などに摂取することで疲労回復を得られることもわかっています。

肌に与える効果としては、トーンアップはもちろんのこと、炎症を抑える作用や抗酸化作用があります。日やけした直後にビタミンCを多めに摂ることで、炎症を早期に抑える効果が期待されることから、皮膚科ではビタミンCの内服薬を処方することがあります。炎症が落ち着いて1ヶ月ぐらいしてから黒くなるため、日やけ直後から続けての服用をおすすめしています。また、ニキビや肌荒れ、肝斑などのシミに対しても有効性は認められています。

Q ビタミンCが不足すると、肌にどんな変化があらわれる?

肌のターンオーバーが乱れてニキビや肌荒れが起こりやすくなります。 日々の生活で規則正しい食事が摂れなかったり、ビタミンCの少ない食生活が続いたりしてしまうと、肌荒れを経験することはよくあるでしょう。

また、ビタミンCは肌のコラーゲンの生成に関わっているため、不足するとコラーゲン生成が低下して、肌のハリや弾力が失われてしまいます。
そのため、必要な量の摂取と正しいスキンケアが大切になります。

ビタミンC配合のスキンケア「応用知識」 編
ビタミンCそのものは不安定。
肌の中でビタミンCになるビタミンC誘導体が主流。

Q ビタミンCとビタミンC誘導体のちがいは?

ビタミンCそのもの(アスコルビン酸)は、不安定な物質であるため、肌につけたときに分解されやすく、本来の効果を発揮しにくい特徴があります。そのため、プロビタミンCといって肌の中に入ってビタミンCになる物質=ビタミンC誘導体の形で化粧品に使用されていることが多いでしょう。

成分としては、「L-リン酸アスコルビン酸Na」、「L-リン酸アスコルビン酸Mg」などになります。化粧品メーカーからこの形で販売されるようになってから、効果が何倍にもアップしてきました。

濃度については、高濃度であればあるほどいいというわけではありません。濃すぎると成分が固まってしまう傾向があり、3〜5%くらいが品質を保ちつつ効果を発揮できる目安とされています。

Q ビタミンC誘導体を配合した化粧品の使い方は?

朝、晩、洗顔後に使用するのが効果的です。どの化粧品もそうですが、ビタミンC誘導体配合の化粧品も、一度開封したら3カ月以内に使いきるように心がけてください。

ビタミンC誘導体を配合した化粧品は乾燥作用があるため、乾燥肌や敏感肌の方は使用後に保湿剤を足すと良いでしょう。滅多にいらっしゃいませんが、刺激を感じた場合は、ほかの化粧水を使用してから使っていただくか、乾燥や刺激を感じたらいったん休止して、肌の回復を待って再開するようにしましょう。

ほかの美容液成分であるレチノール(ビタミンA誘導体)やナイアシンアミド(ビタミンB₃)は、シミ、シワ、ニキビ対策など、多くの美容効果が期待されています。これらの成分との併用は問題なく、むしろ併用することで相乗効果が期待できます。 注意事項として、ともに乾燥作用があるため、こちらも乾燥を感じる場合には、保湿剤を併用してください。

ビタミンCの摂取方法「日常生活」 編
基本は食べ物から摂るように心がけ、
足りない分をサプリメントで補うように。

Q おすすめのビタミンCの取り方、摂取量の目安は?

理想はもちろん、食事から必要十分な量を摂取することです。
例えばキャベツやブロッコリーなどの野菜や、レモン、イチゴ、ミカンなどの果物からビタミンCを摂取することができます。ですが、食事だけだと一日に必要な1,000〜2,000mg摂ることは難しいため、サプリメントを取り入れることをおすすめします。

私の場合、一日の食事で野菜や果物、ジュースなどでビタミンCを摂るようにして、寝る前に足りない分をサプリメントで補うようにしています。

Q サプリメントを選ぶときに気をつけることは?

サプリメントで気をつけていただきたいのが、さまざまな成分が複合的に配合されたサプリメントを日常的に摂取すると、ビタミンCの必要量を摂取することで、他の成分が過剰摂取になる場合も。ビタミンCを摂取するのであれば、単独のサプリメントを選ぶことをおすすめします。

ビタミンCは水溶性のため不要な分は尿として排出されます。取りすぎるということや内臓に負担をかけるということはないので安心して摂取していただければと思います。

最後に、赤須先生からのメッセージ

季節の変わり目には特に肌が敏感になりやすく、トラブルを起こす方が多くいらっしゃいます。花粉の影響や紫外線、汗などの刺激に加え、生活リズムの乱れで心身ともに不調になりやすい時期は特に気をつけましょう。

ビタミンCは食事からだと大量に摂取しないとならないので、年間通してサプリメントを利用してみてください。習慣的な摂取で必要量補えるようになると、肌だけでなく体調も変わってくると思います。