お酒によってもたらされる肌荒れの症状とは?
ほろ酔い程度の飲酒はストレスを軽減したり、血行促進につながったりするなどのメリットがあります。しかし飲み過ぎると、翌日の肌に悪影響をおよぼすため注意が必要です。ここではお酒と肌荒れの関係性について紹介します。
ニキビ・吹き出物
お酒もニキビや吹き出物の原因になります。実はビールや日本酒、甘いカクテル、梅酒などは、糖分が多く含まれています。口当たりが良いからといって飲み過ぎると、無意識のうちに糖分を大量摂取してしまい、皮脂が過剰に分泌されてしまうのです。
また、皮脂分泌はアルコールによる毛細血管の拡張によっても活発になります。
これらの作用によって皮脂が毛穴に詰まるため、ニキビができやすくなるのです。
乾燥肌
多量の飲酒は肌の乾燥を招きやすくなるため注意が必要です。お酒を飲むと体内に入ったアルコールは、肝臓で酸化されてアセトアルデヒドに変化し、酢酸(さくさん)へと代謝されます。
この物質を分解する際、体内の水分が大量に使われます。これにより身体の水分が枯渇した状態になるため、肌のうるおいをキープできなくなり肌の乾燥を招いてしまうのです。
またお酒には利尿作用があるので、飲めば飲むほど脱水傾向になりやすく、乾燥肌を助長してしまいます。
シワ・もたつき・くすみ
お酒を飲むとアルコール代謝の影響により、人によってはシワやもたつき、くすみが生じやすくなります。
特にお酒の過剰摂取には要注意です。お酒を飲みすぎるとアセトアルデヒドの分解が間に合わず、体内に留まってタンパク質と結びつくことで、糖化が発生します。糖化とは体内の余分な糖とたんぱく質が結合することを指し、体のコゲともいわれています。
この作用が進むとAGEs(終末糖化産物)が生成され、肌のコラーゲンなどのタンパク質が変性したり、劣化したりすることで肌の弾力が失われてしまうのです。
肌荒れしないために!上手なお酒との付き合い方
肌荒れを予防するには、お酒との付き合い方を見直すことが大切です。ここからは、お酒による肌荒れを防ぐ方法を紹介します。
飲む頻度を減らす
飲み会や毎晩の晩酌など、飲酒の機会が多い方は飲む頻度を減らすよう心がけましょう。年齢を重ねるとアルコールの分解に時間がかかってしまうため、1回の飲酒量を減らしたり、休肝日を設けたりするなどの工夫が必要です。
ビールなどは喉ごしが良いので、飲み過ぎてしまいがちですが、高糖質であるため特に意識的に制限しましょう。また、ワインや焼酎など、糖質が少ないお酒を飲むのもおすすめです。
ビールやワイン、焼酎の糖質量については、以下のとおりです。
アルコールの種類 | 糖質量(100mlあたり) |
ビール | 3.1g |
ワイン | 1.5g |
焼酎 | 0g |
出典:「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(文部科学省)
お酒を控えると肝臓や胃腸を休ませることにもつながり、肌の調子を整えやすくなるメリットもあります。
水分補給をする
上記のとおり、お酒を飲んでいるときは体の水分が少なくなるため、水をこまめに飲みましょう。体内に水分を補給できるだけでなく、体内のアルコール濃度が低下し、実質的にアルコール度数を下げることができます。
またお酒と一緒に水分を摂ることで、飲酒の頻度が抑えられるため、自然とアルコールの摂取量が少なくなります。
おつまみに気をつける
フライドポテトや唐揚げ、ピザなどカロリーが高く脂質や塩分が多いおつまみは皮脂の分泌を増やし、肌荒れをもたらす原因となるため控えましょう。
おつまみを選ぶときは、アルコールの分解をサポートするビタミンB1やタンパク質、亜鉛を含む食べ物を取り入れるのがおすすめです。お酒と相性の良いおつまみの例は下記のとおりです。
ビタミンB1:ナッツ類
タンパク質:豚キムチ、レバーの焼き鳥、冷奴、枝豆
亜鉛:牡蠣、胡麻和え
また冷たいビールばかり飲んでいると内臓が冷えてしまいます。冷えたおつまみだけでなく、焼き魚や煮物などもあわせて選びましょう。
お酒以外で肌荒れしないために気をつけたいポイント
お酒について考えることはもちろん、肌荒れを防ぐにはスキンケアや生活習慣を見直すことも大切です。ここからは健やかな肌を保つために日常生活で気をつけたいポイントについて解説します。
十分な睡眠を取る
健康的な肌を保つためには睡眠が必須です。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、日中に受けた肌のダメージを修復してくれるほか、皮膚のターンオーバーを促進してくれます。
睡眠不足だと成長ホルモンが不足し、肌荒れしやすくなるため、しっかり睡眠時間を確保するようにしましょう。
また、睡眠時間の長さだけでなく、睡眠の質にも着目することが大切です。
質の高い睡眠を取るために、寝る直前までスマートフォンやテレビなどは見ないようにしましょう。また体温が下がるタイミングで眠気が訪れやすくなるので、就寝の1~2時間前に入浴を済ませておくことをおすすめします。
睡眠不足や睡眠の質の低下はストレスによってもたらされる場合もあるため、運動をしてリフレッシュしたり、音楽を聴いてリラックスしたりするなど、自分にあったストレス解消法を見つけて実践しましょう。
適切なスキンケアを行う
間違った方法でスキンケアを続けていると、肌荒れを引き起こしやすくなったり、肌荒れを悪化させたりします。適切なスキンケア方法で肌を労りましょう。
洗顔の際は、肌に付着した汚れやほこりなどをクレンジングで落としてから、適量の洗顔料を手に取りしっかりと泡立てます。その泡で顔全体を包み込むようにやさしく洗いましょう。
ただし汚れを落とそうとしてゴシゴシこするのはおすすめできません。摩擦は肌の負担になるため、きめ細かな泡で汚れを浮かせるようにしましょう。
丁寧に洗顔した後は、ぬるめのお湯ですすぎ残しがないように洗い流します。洗顔後は清潔なタオルを顔に押し当てて、水分を吸い取るように拭いてください。洗顔後は肌が乾燥しやすい状態なので、化粧水や乳液などで素早く保湿することも忘れず行いましょう。
紫外線対策をしっかりする
長時間紫外線を浴びると、肌荒れを引き起こしやすくなります。紫外線は季節を問わず年中降り注いでいます。外出する際は紫外線対策をしっかり行い、肌へのダメージ(※)を軽減しましょう。
紫外線を防ぐために日やけ止めやサングラス、日傘、帽子などを活用することをおすすめします。また地面からの照り返しを考慮して、長袖の衣類を着たり薄手のカーディガンを羽織ったりすることも紫外線予防に効果的です。その際、UVカット率が高いものを選ぶのがポイントです。
また日やけ止めは時間とともに効果が薄れてしまいます。激しい運動などで汗をかくと、日やけ止めの効果も半減してしまうため、こまめに塗り直すことが大切です。
※ダメージ:乾燥による
まとめ
楽しく飲んでいるときはお酒の量も増えがちです。適量のお酒であれば問題ありませんが、過剰摂取は肌荒れにつながるため注意しましょう。
お酒と上手に付き合うためにも、飲酒の頻度を減らしたり、アルコールの分解をサポートするおつまみを選んだりすることがおすすめです。またお酒を飲むと水分不足になりやすく、肌の乾燥を招くおそれがあるため、水分補給も忘れずに行いましょう。