敏感肌の顔の赤みの原因とは?
敏感肌の赤みの原因は、肌バリアが低下していることによって繰り返される肌荒れのトラブルによるものです。
肌バリアとは、皮膚表面にある「表皮」の一番外側に位置する「角層」に備わっている機能のことです。
角層は、細胞間脂質・天然保湿因子(NMF)・皮脂膜のうるおい成分で構成されています。これらの3つのバランスが機能していることで、ウイルスや雑菌、化学物質、大気汚染などの外的刺激から肌を守ってくれます。
しかし、敏感肌の場合、この機能がうまく作用しないことが多く、肌内部に異物が入り込みやすくなっているのです。
菌やホコリなどが体内に侵入すると、体はそれらに対抗したり排出しようとしたりします(=免疫反応)。「炎症」はこの際に生じるもので、これが起こると毛細血管が広がり、血液の量が増えます。
健康的な肌であれば、炎症が治まると膨張した毛細血管も元に戻りますが、敏感肌の場合は外部からの侵入が多く、何度も反応が起こるため、血管が収縮しなくなります。それにともない、血液量も増えたままになるため、肌が常に赤みを帯びた状態になるのです。
顔の赤みを引き起こす要素
肌の赤みが毛細血管の膨張であることはお伝えしましたが、具体的にどのような要因で血管は広がるのでしょうか。
ここでは、敏感肌の方が影響されやすい顔の赤みの要素を詳しく紹介します。
肌荒れやニキビ
肌荒れやニキビなどで炎症が起きると、顔の赤みにつながります。これは、炎症が起きた箇所の毛細血管が広がることが原因です。
また、炎症が起きた箇所を手で触ってしまい、それが刺激となって赤みが増すこともあるため注意が必要です。
日やけ
日やけによって肌に炎症が起きることも原因のひとつです。 紫外線を一度に多く浴びると皮膚の細胞が傷つき、やけどのような症状が出ます。
軽い日やけの場合は赤みや乾燥が出る程度で済みますが、ひどい日やけの場合は水ぶくれやヒリヒリとした痛みなどの症状が出る場合があります。
特に敏感肌は肌バリアが低下しているため、紫外線の影響を受けやすいです。日やけをきっかけに炎症が起こり、顔の赤みが続くこともあるため注意しましょう。
酒さ(しゅさ)
酒さとは、ほほや鼻、あごなどの部位に赤みや色ムラができる疾患です。 食事や紫外線、飲酒、寒暖差による体温変化などにより、毛細血管が広がることで発症します。
皮膚に赤みやほてりが生じやすく、刺激に敏感でヒリヒリとした痛みを伴いやすいです。 悪化すると顔の赤みが長期間続き、ニキビのようなものができることもあります。
運動や入浴など、血行が良くなる行動によって悪化する場合があるため注意しましょう。
皮膚炎
かぶれや虫刺され、感染などにより皮膚炎を発症することで、顔に赤みが生じることもあります。
皮膚炎の種類として、皮膚に何らかの物質が触れることで発症する刺激性接触皮膚炎と、特定の物質に対するアレルギーによって発症するアレルギー性皮膚炎があります。
皮膚炎を発症すると赤み、かゆみ、腫れなどの炎症を伴うことが多いです。
さらに敏感肌の場合、症状が落ち着いた後も毛細血管が広がった状態が続き、顔が赤く見えることがあるので、注意が必要です。
顔の赤みを抑える方法
敏感肌は赤みが起こりやすい状態であるものの、適切なケアで最小限に抑えることができます。ここではスキンケアをはじめ、日常生活で気をつけるべきポイントを詳しく紹介します。
適切なスキンケアをする
顔の赤みを抑えるためには、適切なスキンケアによって肌バリアを正常に保つことが重要です。
スキンケアのポイントをスキンケアアイテム、洗顔、保湿の観点から解説します。
肌に合うスキンケアアイテムを選ぶ
顔の赤みを抑える場合は、低刺激のスキンケアアイテムを使用するのがおすすめです。
また肌バリアを整えるために、セラミドが配合された化粧品や、抗炎症作用のある成分が配合されたスキンケアアイテムを選びましょう。
購入前にサンプルやテスター、トライアルセットなどを利用して肌に合うかどうかをチェックするのも大切です。
やさしく洗顔する
ゴシゴシとこするように洗顔をすると肌バリアの低下につながるため、やさしく洗顔しましょう。たっぷりの泡で顔を包み込むようにして、肌の汚れを浮かせるのがポイントです。
すすぎの際は、ぬるま湯を使用します。熱いお湯だと必要な皮脂まで洗い流してしまうので、注意しましょう。
洗顔後はやわらかい素材の清潔なタオルを使い、軽く顔に押し当てるように水分をふきとります。
保湿はしっかり行う
洗顔後は肌が乾燥しやすい状態のため、水分が乾かないうちに化粧水で保湿することが大切です。
化粧水をハンドプレスでやさしくなじませたあと、うるおいが逃げないように乳液やクリームで肌を保護しましょう。
生活習慣を改善する
健康な肌作りのためには、日々の食事や睡眠、ストレスなどの生活習慣を見直すことが重要です。
食事
肌は食事から摂取する栄養素によってつくられるため、栄養バランスの良い食事を
心がけましょう。
たんぱく質やビタミン類、ミネラルなどの栄養素は傷ついた皮膚を修復し、肌のターンオーバーの周期を整えるのに役立ちます。逆に、脂質の多い揚げ物やスナック菓子などを摂取しすぎると、肌荒れを引き起こすこともあります。
また、食べ過ぎや飲み過ぎに気を付けて、毎日3食を規則正しく食べることも大切です。
睡眠
毎日6時間以上の質の高い睡眠をとることで、皮膚ダメージの修復につながります。良質な睡眠によって肌のターンオーバーの周期を促す成長ホルモンが分泌されるため、健やかな肌を保ちやすくなります。
睡眠不足や睡眠の質の低下は、肌荒れのトラブルにつながるため注意が必要です。
良質な睡眠をとるためには、就寝前の激しい運動や食事は控えましょう。また寝る直前にスマホやPCは見ないよう、心身ともにリラックスできる環境を整えるのがおすすめです。
ストレス
ストレスが溜まると、ホルモンバランスや自律神経の乱れにつながり、肌荒れが起こりやすくなります。
ウォーキングや軽いジョギングなどの運動、瞑想、読書など、自分なりのストレス発散方法を身に付けるのがおすすめです。
ただし暴飲暴食や過度な飲酒などの発散方法は、肌荒れにつながるため避けましょう。
紫外線対策をする
紫外線は肌バリアを低下させるため、1年を通して対策を行うことが大切です。
外出する際は日やけ止め、日傘、帽子などを活用して紫外線から肌を護りましょう。また、頬骨や鼻は紫外線に当たりやすい部位なため、日やけ止めを重ね塗りするのがおすすめです。
顔の赤みが気になる方は、保湿をしてから日やけ止めを塗ると肌への負担を抑えられます。
皮膚科医に相談する
生活習慣を見直しても顔の赤みが引かない場合は、皮膚科で相談してください。
皮膚科での問診や検査によってアレルギーや脂漏性皮膚炎、乾癬などの疾患が見つかる場合があります。
肌に異常があればなるべく早めに皮膚科を受診し、適切な治療を行うことが肝心です。
まとめ
敏感肌の顔の赤みは、肌バリアの低下により、肌トラブルが繰り返されていることが原因です。特にニキビや日やけ、皮膚炎などは赤みを引き起こしやすいため注意しましょう。
健やかな肌を保つためには、スキンケアや生活習慣の改善、紫外線対策を行うことが大切です。赤みが改善しない場合は早めに皮膚科に相談して原因を特定し、治療を受けましょう。