クレンジングと洗顔、それぞれの役割とは
クレンジングと洗顔は肌の汚れを落とすために必要なアイテムですが、それぞれ役割が異なります。どのような違いがあるのか、詳しくみていきましょう。
クレンジングの役割
クレンジングの役割は、メイク汚れを肌から浮かせることです。メイクは汗や水で簡単に落ちないよう、肌にしっかりと密着しています。そのため、まずはメイク汚れを肌から浮かす必要があるのです。
また、クレンジングに含まれる界面活性剤によって、本来混ざり合うことのない水と油をなじませる、乳化という現象がみられます。この作用を利用すると、毛穴に詰まった角栓を落としやすくなるのです。ほかにも、ファンデーションや日やけ止めなど、洗顔料だけでは落とし切れない汚れまで落とせます。
洗顔料の役割
洗顔料の役割は汗や皮脂、ほこりなどの汚れとクレンジング料を洗い流すことです。とはいえ、洗顔料だけでは毛穴に詰まった汚れやメイク汚れ、皮溝(きめの溝)の汚れをしっかりと浮かせて洗い流すことができません。そのため、クレンジングしてから洗顔をするダブル洗顔がおすすめです。
また、クレンジング料は油分が多いので、水だけで洗い流すことが難しく、そのままにしていると肌表面に汚れが残ってしまいます。クレンジングでさっぱりとした感覚があっても、汚れが残っている可能性があるため、洗顔をしてしっかりと落としましょう。
クレンジングと洗顔の正しい順番
クレンジングと洗顔を正しい順番で行うことで、肌に負担をかけずに汚れを落とせます。
洗顔だけでメイク汚れを落とそうとすると、汚れが取り切れない可能性があるため、クレンジング→洗顔の順番で行うことがポイントです。
ここでは、クレンジングと洗顔、それぞれの手順について解説します。
クレンジングの手順
クレンジングの手順は下記の通りです。
【手順】
1.適量のクレンジング料を手のひらにとり、額の中心からこめかみへ、円を描くようになじませる
2.鼻筋を指で上下にやさしく滑らせる。指先を使って小さな円を描きながら、小鼻のきわを下から上へ移動させる
3.鼻の下、口の周りを中央から外側に向けて、指を滑らせる
4.顔の内側から外側へ向けて円を描きながらなじませる
5.頬と交差するように反対の手を使い、フェイスラインに沿ってあご先までなじませる
6.まぶたや唇も同様にやさしくなじませる
7.水またはぬるま湯でよく洗い流す(ふき取りタイプの場合は、洗い流す前にクレンジング料をやさしくふき取る)
濡れた手で使用できるクレンジング料でも、なるべく濡れていない手で使用することをおすすめします。
絶対にNGではないものの、クレンジング前に濡れた手の水分とクレンジング料の油分が混ざると、効果が薄れてしまうおそれがあるからです。顔が濡れていた場合も水分を拭き取ってから行いましょう。
洗顔の手順
洗顔の手順は下記の通りです。
【手順】
1.肌を軽く濡らしてから、洗顔料をよく泡立て、たっぷりの泡でTゾーンを洗う
2.頬は泡のクッションで包み込むように、やさしく洗う
3.フェイスラインは片方ずつ手を添えながら、やさしくなでるように洗う
4.小鼻は汚れを残さないようにしっかりと洗い、最後に目元に軽く泡をのせて丁寧に洗う
5.すすぐ際は洗顔の2倍の時間をかけるよう、丁寧に洗い流す
6.やわらかく清潔なタオルでやさしく押さえながら、水分をふき取る
きめ細かい泡を作るために、泡立てネットを活用するのもおすすめです。簡単にもっちりとした泡が作れて時短になります。たっぷりの泡に肌の汚れを移すようなイメージで行いましょう。洗顔後は肌の乾燥を防ぐために、速やかに化粧水と乳液・クリームで保湿してください。
クレンジングと洗顔をする際の注意点・NG行為
クレンジングや洗顔をしていても、やり方を間違えると逆効果になりかねません。ここでは、クレンジングと洗顔をする際の注意点やNG行為について解説します。
クレンジング料をケチるのはNG
クレンジング料は毎日使うものなので、少しずつ使って節約したいと考える方もいますが、使用量を必要以上に減らすのはおすすめできません。
クレンジング料が少ないとメイクを浮き上がらせる働きが弱まってしまい、肌に汚れが残ってしまう可能性があります。
また、クレンジングをするときにすべりが悪くなるため、肌と指の間に摩擦が起きやすくなり肌にダメージを与えかねません。クレンジング料は、パッケージに記載してある使用量を守って使用しましょう。
長時間のクレンジングはNG
クレンジングの役割は、あくまでもメイクを浮かせることです。汚れを落とそうとして長時間クレンジングを行うと、肌のうるおいを奪いかねません。
クルクルと丁寧に指でクレンジングをなじませても、長時間行うことで肌には負担になってしまいます。クレンジングは、すすぎの時間を含めて1分程度で行いましょう。
ゴシゴシクレンジング・洗顔はNG
肌はちょっとした刺激でもダメージを受けてしまうので、クレンジングや洗顔はやさしく行いましょう。ゴシゴシこすることで肌に摩擦のダメージが加わると、色素沈着を起こして肌のバリア機能が損なわれ、肌荒れを引き起こす原因になります。
また、クレンジングのついでにマッサージを行う場合は、肌に負担をかけないように、時間をかけすぎず、清潔な状態で行うことをおすすめします。
肌に合わないクレンジング料・洗顔料を使うのはNG
肌に合わないクレンジング料や洗顔料を使い続けると、乾燥や肌荒れなどの肌トラブルを引き起こしやすくなります。
クレンジングや洗顔料は、乾燥肌や脂性肌などの肌タイプ別にさまざまな種類があります。特に、敏感肌や乾燥肌の方は、肌に負担がかかりやすいため、自分の肌に合うクレンジング料や洗顔料を選びましょう。
また、メイクの濃さによってクレンジングを変えることも重要です。例えば、濃いメイクの日はしっかり洗い流せるオイルクレンジング、ナチュラルメイクの日はやさしく洗い流せるクレンジングミルクなど、用途に合わせて使い分けると良いでしょう。
クレンジング料の種類や選び方を詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
「【肌別】クレンジングの種類と選び方は?肌に優しいメイクの落とし方」
クレンジングと洗顔に関するQ&A
最後に、クレンジングと洗顔に関する身近な疑問にお答えします。
Q1:ダブル洗顔不要のクレンジング料を使ったときは洗顔しなくてもよい?
基本的にダブル洗顔不要のクレンジング料を使用した後は、洗顔しなくても問題ありません。ただし、何となくすっきりしないなど、気になる場合はクレンジングの後に洗顔しても良いでしょう。
クレンジング料はメイク汚れを浮き上がらせるために使用し、洗顔料は肌に残ったクレンジング料やほこり、花粉などの汚れを落とすために使うものです。それぞれ役割が異なるため、ダブル洗顔不要のクレンジングを使用した場合でも、使用後の肌の状態に合わせて洗顔を行うか検討しましょう。
Q2:ポイントメイクリムーバーを使うときはどうする?
ポイントメイクリムーバーは洗浄力が強く、濃いメイクでもスルッと落とせますが、顔全体に使用すると肌に負担がかかります。そのため、落ちにくいアイメイクや口紅、ティントなど部分的なメイクをポイントメイクリムーバーで落としてから、クレンジング料で顔全体の汚れを落としましょう。
まず、ポイントメイクリムーバーをコットンに染み込ませてから、目元や唇などにのせてしばらくそのままにしておきます。メイクが浮いてきたタイミングで拭き取りましょう。目の際のようなデリケートな部分は、綿棒にリムーバーを染み込ませて使うとムラなくなじませることができます。
Q3:帰宅後すぐにメイクを落としたいときは?
皮脂やメイクの油分は、空気に触れる時間が長くなると次第に酸化してしまいます。酸化は肌に影響をおよぼすため、帰宅後すぐにメイクを落とすのは、良いことです。
ただし、クレンジングと洗顔をしてから保湿ケアをせず、そのままの状態でいるのはNGです。クレンジングと洗顔をしてから化粧水でたっぷりとうるおいを補い、乳液やクリームなどでケアするようにしましょう。
Q4:朝のメイク前は洗顔だけでいい?
寝ている間に分泌された皮脂や汚れを落とすために、朝もできるだけクレンジングをするのがおすすめです。就寝中にかく汗は一晩でコップ約1杯分(約200ml)ほど、熱帯夜の場合はコップ約3杯分の汗をかくといわれています。
朝にクレンジングを行うメリットや、おすすめのクレンジングクリームが知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
「朝クレンジングのメリット3つ!おすすめのクレンジングクリームも紹介」
まとめ
クレンジングと洗顔は、それぞれ異なる汚れを落とす役割があるため、どちらも必要なアイテムです。まずは、クレンジング料で汚れを浮き上がらせてから、洗顔料でしっかりと洗い流しましょう。
また、それぞれの使用量を守り摩擦が起きないように優しく洗うことも大切です。ほかにも、長時間クレンジングを行わない、肌に合うスキンケア製品を使うなどして、肌のコンディションを整えましょう。