日やけ止めを毎日塗ったほうがよい理由
日差しの強さに関係なく、日やけ止めは毎日塗るのがおすすめです。なぜなら、日々の生活の中でうっかり日やけしてしまうシーンは多いからです。
ここでは、日やけ止めを毎日塗ったほうがよい理由について詳しく解説します。
紫外線は1年中降り注いでいるから
紫外線は、夏などの日差しが強い季節だけでなく、年間を通して降り注いでいます。季節によって紫外線量に変動はありますが、肌への影響は蓄積されるため、紫外線対策は毎日欠かさず行うことが大切です。
また、「曇りや雨の日なら紫外線の影響は少ないのでは？」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。紫外線は雲や雨を通り抜けて地上に届くため、天候に関係なく肌に影響を与えます。
紫外線の影響から肌を守るには、天気が悪い日でも油断せずに日やけ止めを塗ることが重要です。
紫外線は反射するから
紫外線対策として帽子や日傘を使う方も多いですが、それだけでは十分に紫外線を防ぐことはできません。なぜなら、紫外線は地面や建物、雪などに反射し、下からも肌に影響を与えるからです。
特に、雪が積もった日は注意が必要です。雪は紫外線の約80％を反射するといわれており、晴れた冬の日に油断して無防備な状態で過ごすと、通常より多くの紫外線を浴びて雪やけを起こす可能性があります。
雪やけをすると、肌が赤く炎症を起こしたり、ヒリヒリしたりして日やけと同じような症状が表れるため、雪の日でも日やけ止めを塗る習慣をつけることが大切です。
出典：気象庁「紫外線 環境保健マニュアル2020」
紫外線は窓ガラスを通り抜けるから
「1日中家の中で過ごす日は、日やけ止めは必要ない」と思っている方もいるかもしれません。実は、紫外線は窓ガラスを通り抜けるため、室内にいても肌に影響を与えます。
特に、UVカット加工が施されていない窓ガラスは紫外線を通しやすく、日常的に浴びると肌に紫外線ダメージが蓄積します。
そのため、外出しない日でも日やけ止めを塗る習慣をつけるのが理想的です。
日やけ止めを毎日塗らないとどうなる？
日やけ止めを塗らずに過ごすと、紫外線によるダメージが少しずつ蓄積し、肌にさまざまな影響を及ぼします。では、具体的にどのような影響があるのかみていきましょう。
シミができる
紫外線を浴びると、肌内部にあるメラノサイト（色素細胞）が活性化し、メラニンを過剰に生成します。メラニンには肌を紫外線から守る役割があるものの、過剰に作られるとシミの原因になります。
特に、紫外線を浴びた直後はシミが目に見えなくても、肌の奥にメラニンが蓄積し、数年後にシミとなって表面に現れるケースは珍しくありません。
一度できたシミは、セルフケアで薄くするのは難しく、専門的なケアが必要になることもあります。そのため、「今はシミがないから大丈夫」と油断せず、毎日しっかり紫外線対策をすることが重要です。
乾燥する
紫外線を浴び続けると、肌のバリア機能が低下し、水分を保持しにくくなります。
肌のバリア機能は、外部の刺激から肌を守り、肌内部の水分の蒸発を防ぐ重要な役割を担っています。しかし、紫外線ダメージが蓄積すると、バリア機能が弱まり、肌の水分がどんどん蒸発してしまって乾燥を引き起こすのです。
刺激を感じやすくなる
紫外線によってバリア機能が低下すると、肌が外部の刺激を受けやすくなり、炎症や肌荒れが起こりやすくなります。
特に、紫外線ダメージを受けた肌は敏感になり、普段は問題のないスキンケアアイテムや花粉、ホコリなどにも刺激を感じやすくなることがあります。
シワ・もたつきの原因になる
紫外線は、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやもたつきを引き起こします。
特に紫外線A波（UV-A）は肌の奥の真皮層まで到達し、じわじわとコラーゲンを損傷させます。その影響はすぐには見えないとしても、長年の蓄積によりシワが深くなったり、フェイスラインのもたつきにつながったりすることがあるのです。
また、紫外線による乾燥も要注意です。肌の水分が不足すると、ハリが失われ、シワが目立ちやすくなり、肌がしぼんだような印象になることもあります。
こうした紫外線ダメージ（※）を防ぐためにも、日やけ止めでしっかりと紫外線対策をすることが大切です。
※紫外線ダメージ：乾燥による
日常的に使える日やけ止めの選び方
日やけ止めにはさまざまな種類があり、どれを選べばよいのか迷うこともあるでしょう。
特に毎日使うものだからこそ、肌への負担を考えつつ、しっかり紫外線対策できるものを選ぶことが大切です。ここでは、日常使いに適した日やけ止めの選び方を詳しく解説します。
SPFとPAの数値で選ぶ
日やけ止めには、SPFとPAという紫外線防御効果を示す指標が記載されています。
・SPFとは？
SPF（Sun Protection Factor） は、UV-B（紫外線B波）を防ぐ効果を示します。UV-Bは、肌が赤くなるサンバーンやシミ・皮膚がんの原因となる紫外線です。
SPFの数字が大きいほど、UV-Bを防ぐ時間が長くなり、最大値は50で、50以上のものは「SPF50+」と表記されます。
・PAとは？
PA（Protection Grade of UVA） は、UV-A（紫外線A波）を防ぐ効果を示します。UV-Aは、肌の奥（真皮層）にまで到達し、シワやもたつきを引き起こします。
PAは「+」の数（+～++++）でUV-Aの防御効果を表し、「+」の数が多いほど、UV-Aをカットする効果が高くなります。
紫外線防御効果が最も高いのは、SPF50+、PA++++ですが、使うシーンによって最適なSPFやPAは異なり、UVカット効果が高ければよいというわけではありません。
毎日の生活で使用する場合は、SPFが10～20、PA++程度で十分です。ただし、夏のレジャーなどはUVカット効果が優れたSPF50+、PA++++のものを選ぶとよいでしょう。
日常使いにはノンケミカルがおすすめ
日やけ止めは毎日使うものだからこそ、用途に合わせ選ぶことが大切です。そこでおすすめなのが、ノンケミカル処方（紫外線吸収剤不使用）の日やけ止めです。
日やけ止めは、主に下記の2種類に分類されます。
・紫外線吸収剤使用：UVカット効果が高く、白浮きしない
・紫外線散乱剤使用（ノンケミカル）：肌への負担が軽めで、敏感肌でも使いやすい
ノンケミカルの日やけ止めは、紫外線を吸収するのではなく、肌の表面で反射・散乱させることで紫外線をカットする仕組みです。肌への負担が軽めであるため、毎日使うのに適しています。
また、クレンジング不要で石けんだけで落とせるタイプの日やけ止めを選ぶと、肌への負担をさらに軽減できます。
一方で、海やプール、真夏のレジャーなどでは紫外線吸収剤を使用したもののほうが適しているため、シーンに応じて使い分けるとよいでしょう。
クレンジングを使って日やけ止めを落とす方法については、下記の記事をご覧ください。
「日やけ止めにクレンジングは必要？適切な落とし方やおすすめのタイプ」
こまめに塗り直せるものが◎
日やけ止めは、一度塗れば一日中効果が続くわけではありません。汗や皮脂で落ちたり、時間とともに効果が弱まったりするため、こまめに塗り直すことが大切です。
日中に何度か塗り直す必要を考えて、使いやすいタイプの日やけ止めを選ぶとよいでしょう。下記のタイプは、手を汚さずに手軽に塗り直せて便利です。
・パウダータイプ：メイクの上からも簡単に塗り直せる
・スプレータイプ：1本で髪や全身の紫外線対策ができる
日やけ止めを塗り直す頻度や塗り直し方については、下記の記事をご覧ください。
「日やけ止めは「こまめに塗り直し」が鉄則！タイミング＆テクを解説」
日やけ止めの適切な塗り方
日やけ止めは薄く伸ばしすぎたり、規定量よりも少なく使ったりすると、本来のUVカット効果を十分に発揮できません。しっかりと効果を得るためには、適量を守り、ムラなく丁寧に塗ることが大切です。
日やけ止めの適切な塗り方とポイントを解説します。
＜基本の塗り方（顔の場合）＞
1.製品に記載されている適量を手に取る
2.おでこ・鼻・両頬・あごに点置きする
3.中指と薬指を使い、内側から外側へやさしくなじませる
4.日やけしやすい部分（頬の高い部分、Tゾーン）に重ね付けする
日やけ止めは手に取ったものを一度に塗り広げると、ムラができやすくなります。点置きしてから伸ばすのが、塗りムラを防ぐコツです。
＜塗るときのポイント＞
・点置きすると量を調整できるため、均一に塗れる
・こすらず、やさしく塗って肌への負担を減らす
・内側から外側に塗ることで、毛穴が目立ちにくくなる
・日やけしやすい首やデコルテも忘れずに塗る
まとめ
紫外線は年間を通して降り注いでいるため、季節や天気に関係なく、用途に応じたSPF･PAの日やけ止めを毎日塗ることが大切です。紫外線を浴び続けると、シミ・シワ・もたつき・乾燥などを引き起こし、肌の老化を加速させる原因になります。
日常使いの日やけ止めを選ぶ際は、SPF10～20・PA++程度のものが適しており、肌への刺激が少ないノンケミカル処方を選ぶのがおすすめです。また、適量を守り、ムラなく塗ることで紫外線防御効果を最大限発揮できます。
さらに、汗や皮脂で落ちやすいため、こまめな塗り直しも大切です。帽子や日傘などの紫外線対策と合わせて、日やけ止めを毎日のスキンケア習慣に取り入れ、紫外線から肌を守りましょう。
