ダイエットで肌荒れになる原因は?
ダイエットをすると肌荒れが起きやすいのはなぜでしょうか。主な原因を詳しくみていきましょう。
栄養不足
ダイエットによる肌荒れの大きな原因のひとつは、栄養不足です。食事制限や糖質制限を行うと、肌のターンオーバーや保湿に必要な栄養が十分に補えなくなることがあります。
特にビタミンやミネラル、タンパク質の不足は肌荒れを引き起こす要因です。
ホルモンバランスの乱れ
過度なダイエットはホルモンバランスの乱れを引き起こし、肌荒れの原因となることがあります。ホルモンバランスが崩れると皮脂の分泌量が低下し、肌が乾燥しやすくなります。その結果、ニキビや肌荒れが発生しやすくなるのです。
特にエストロゲンの分泌が減少すると、肌の再生スピードが低下します。エストロゲンは皮膚細胞の分裂や代謝を促進する重要な役割を果たしているため、肌のコンディションにも大きく影響するのです。
腸内環境の悪化
食事制限のダイエットを行うと、腸内環境が悪化し、それが肌荒れの一因となることがあります。
腸内環境を整えるために欠かせないのが、日々の食事で摂取する食物繊維です。しかし、ダイエットによって食物繊維の摂取量が減少すると腸内の善玉菌が減少し、腸内フローラ(腸内細菌)のバランスが崩れます。
その結果、便秘を引き起こし、体内の老廃物が溜まることで有害物質が生成され、これが血液の巡りを通じて肌に悪影響を及ぼすようになるのです。ダイエット中に便秘が続いているなら、それが原因で肌荒れやニキビが起きやすくなっている可能性があるでしょう。
ストレス
ダイエット中は、食べたいものを我慢したり、慣れない運動を無理に続けたりすることでストレスが溜まりやすくなります。
ストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こし、さらに睡眠の質を低下させることもあります。これらの要因が重なり、肌のターンオーバーの周期が乱れて肌荒れが起きやすくなるのです。
ストレスと肌荒れの関係について詳しくは、下記の記事をご覧ください。
「肌荒れの原因はストレスかも!?症状が出やすい部位や対処法」
ダイエット中もしっかり摂取しておきたい栄養素
ダイエット中の肌荒れを予防するには、肌のターンオーバーや保湿に欠かせない栄養素を十分に摂取することが大切です。
肌のために特に意識して摂取したい栄養素を紹介します。
タンパク質
タンパク質は、肌の細胞やコラーゲンの材料となる重要な成分です。ダイエット中でも肌荒れを防ぎ、健康な肌を保つには意識的に摂取する必要があります。
タンパク質が不足すると、肌の乾燥やハリ不足、さらには肌のターンオーバーの周期に乱れが生じる可能性があります。
さらに、タンパク質は肌荒れ予防だけでなく、肌の老化を防ぐのにも必要な栄養素です。つまり、タンパク質を十分に摂取することで、加齢によるシワやもたつきの発生を抑える効果も期待できます。
タンパク質は、魚、肉、卵、豆類、乳製品などの食品に多く含まれているため、バランスよく摂取することを心がけましょう。
ビタミン類(A、B群、C、E)
ビタミンは肌にうるおいを与え、肌のターンオーバーの周期をサポートする役割があり、健康な肌づくりには欠かせません。
肌荒れ予防に効果的なビタミンとそれぞれのはたらき、含まれる食材は下記の通りです。
栄養素 | はたらき | 含まれる食材 |
ビタミンA | 肌や粘膜にうるおいを与え、肌のターンオーバーの周期をサポートするはたらきがある。 | うなぎ、レバー、卵、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草 など |
ビタミンB群 | 糖質・脂質・タンパク質などの代謝を助ける。肌のターンオーバーの周期をサポートし、肌荒れを防ぐ効果が期待できる。 | B1:豚肉、雑穀米 B2:豚レバー、うなぎ、納豆、チーズ B6:鶏むね肉、マグロ、カツオ B12:アサリ、牡蠣 など |
ビタミンC | 活性酸素を除去し、コラーゲンの生成をサポートするはたらきがある。 | 柑橘類、キウイ、イチゴ、ブロッコリー、芽キャベツ、小松菜 など |
ビタミンE | 抗酸化作用で肌の老化を防ぎ、血行を促進して肌のターンオーバーを高めるはたらきがある。 | アボカド、豆乳、ナッツ類、うなぎ、たらこ など |
これらのビタミンには、肌荒れを防ぐだけでなく、ダイエットの効果を高めるはたらきも期待できます。食事に取り入れて、効率よく栄養を摂取しましょう。
食物繊維
食物繊維は腸内環境を整え、肌荒れの原因となる便秘を予防する効果が期待できます。
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれに異なるはたらきをもつため、両方をバランスよく摂取するのがおすすめです。
食物繊維の種類 | はたらき | 含まれる食材 |
水溶性食物繊維 | 腸内の善玉菌のエサになって善玉菌を増やすほか、便を柔らかくするはたらきがある。 | ワカメ、昆布、りんご、キウイ、イチゴ、柑橘類、シイタケ、エノキダケ など |
不溶性食物繊維 | 腸内で水分を吸収して膨らみ、便のかさを増して腸の動きをよくするはたらきがある。 | 里芋、サツマイモ、カボチャ、ブロッコリー、オクラ、大豆、小豆、玄米 など |
亜鉛
亜鉛は、体内でアミノ酸からタンパク質をつくる際に欠かせないミネラルです。また、肌の新陳代謝を促進し、健康な肌を保つはたらきが期待できます。
亜鉛は体内で生成できないため、食事から十分に摂取する必要があります。牡蠣、牛肉、卵黄、チーズなどに豊富に含まれているので、これらの食材を日々の食事に積極的に取り入れるよう心がけましょう。
鉄分
鉄分は、体のエネルギー代謝や酸素の運搬を助ける栄養素で、不足すると貧血や疲労感を引き起こします。また、鉄分が不足していると、血流が悪くなって肌に必要な栄養素や酸素が行き渡りにくくなるため、肌荒れの原因となることもあるでしょう。
特に女性は月経によって鉄分が不足しがちです。貧血予防や肌の健康維持のために意識的に補うようにしましょう。鉄分は、レバーや貝類、海藻などの食材に豊富に含まれています。
ダイエットによる肌荒れを防ぐための方法
ダイエット中の肌荒れを防ぐためには、肌に必要な栄養をしっかり摂るだけでなく、下記のポイントを実践するのが効果的です。
適度に運動をする
ダイエット中は運動も取り入れましょう。運動すると血行がよくなり、肌のターンオーバーの周期が促進されるため、健康的な肌を維持しやすくなります。
また、運動で汗をかくと皮脂腺や汗腺が活性化され、老廃物が体外に排出されやすくなるため、デトックス効果も期待できます。
さらに、運動はダイエット中に溜まりやすいストレスを解消するのにもよいため、無理のない範囲でぜひ取り入れましょう。
湯船につかる
シャワーだけで済ませるのではなく、湯船につかるのを習慣にしましょう。
湯船につかると血行が促進され、毛穴が開いて余分な皮脂や汚れが落ちやすくなります。その結果、肌のターンオーバーの周期がスムーズになり、肌荒れ防止につながります。
さらに、湯船につかると副交感神経が優位になり、リラックスした気分になるため、質のよい睡眠のサポートにもつながるのもメリットです。
睡眠時間を確保する
肌荒れを防ぎながらダイエットを進めるためには、十分な睡眠時間を確保することも大切です。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌され、細胞の修復や肌のターンオーバーの周期を促進します。そのため、質のよい睡眠がとれると、肌の調子が整いやすくなります。
睡眠の質を高めるために、下記のポイントを心がけましょう。
・就寝前のカフェイン摂取を控える
・寝る前はスマートフォンやPCのブルーライトを避ける
・快適な睡眠環境(暗い・静かな部屋や適切な室温)を整える
まとめ
ダイエット中は、栄養不足やホルモンバランスの乱れ、腸内環境の悪化を引き起こしやすく、それが肌荒れの原因となります。
ダイエットと美肌を両立させるには、無理な食事制限を避けて肌に必要な栄養を十分に摂取し、適度な運動や質の高い睡眠を心がけることが大切です。この記事で紹介した内容を参考に、理想の体型と美しい肌を手に入れてください。