乾燥肌による赤みの原因
乾燥肌で赤みが生じるのは、外部刺激から体を守ろうとする免疫反応によって炎症が起こるためです。なぜ肌に炎症が起こってしまうのでしょうか。
ここでは、乾燥肌による炎症・赤みの主な原因を4つ紹介します。
空気の乾燥
肌の一番外側にある角層にはバリア機能があり、外部刺激から肌を守っています。バリア機能が正常に働くには、肌が十分にうるおっている必要があります。
しかし、空気が乾燥すると肌表面から水分が蒸発しやすくなり、バリア機能が低下してしまうのです。その結果、普段は問題のない物質にも刺激を感じやすくなり、炎症による赤みを引き起こしてしまいます。
肌の乾燥は、湿度が低い秋冬だけでなく、夏でもエアコンの使用状況によって起こるので、注意が必要です。
花粉や紫外線などの外部刺激
肌が何らかの外部刺激を受けると、患部に白血球やリンパ球などの免疫細胞が集まってきて、毛細血管が拡張し、肌に赤みが生じます。また、皮膚の中に異物が侵入すると、免疫細胞が炎症にかかわる伝達物質を放出し、かゆみやヒリヒリとした痛みを感じることもあるでしょう。
肌の炎症を引き起こす原因物質としては花粉やダニ、紫外線、ハウスダストなどがあげられます。
炎症による毛細血管の拡張が続くと肌の赤みが治まりにくくなるため、肌に刺激を与える物質を避けることが重要です。
生活習慣の乱れ
肌は、新しい細胞ができて古い角質が剥がれ落ちる「ターンオーバー」というサイクルをくり返しています。しかし、生活習慣が乱れると肌のターンオーバーの周期が滞り、バリア機能が弱まってしまいます。その結果、外部刺激に反応しやすくなり、炎症による赤みが生じるのです。
睡眠不足や栄養バランスの偏り、ストレスの蓄積、運動不足などが続くとターンオーバーの周期が乱れやすくなるため、注意が必要です。
間違った洗顔方法
洗顔時に肌をゴシゴシこすったり、熱いお湯ですすいだりすると、肌に必要な皮脂まで洗い流されてしまいます。その結果、肌が乾燥し、バリア機能の低下によって赤みやかゆみなどの肌荒れが起こりやすくなるのです。
角層はわずか0.02mmとラップ1枚ほどの薄さしかなく、非常にデリケートです。少しの摩擦でも目に見えないダメージが加わってしまうため、適切な洗顔方法を心がけることが大切です。
乾燥肌の赤みを抑えるためのスキンケア
乾燥肌による赤みは、適度なスキンケアを続けることでケアできます。ここでは、スキンケアアイテムの選び方から洗顔方法、保湿方法まで、乾燥による赤みを抑えるためのスキンケアを紹介します。
低刺激のスキンケアアイテムを使う
赤みが生じている際は、肌への負担が少ない低刺激性のスキンケアアイテムを使用しましょう。乾燥により肌バリアが乱れていると、外部からの刺激によって炎症が悪化しやすくなるためです。
低刺激のスキンケアアイテムを使う際は、セラミドやスクワラン、アミノ酸などの保湿成分が含まれたものを選ぶとよいでしょう。
商品を購入する前はサンプルやトライアルセットなどで試し、肌に合うかどうかを確認してみてください。
適切な洗顔方法を意識する
洗顔時に顔をゴシゴシこすると肌を傷つけてしまうため、やさしく汚れを落としましょう。
洗顔料はネットでしっかり泡立て、手指が直接肌に触れないよう、泡を顔の上で転がすように洗うのがポイントです。手で泡立てると時間がかかりますが、100円ショップやドラッグストアで購入できる泡立てネットを使えば、簡単に濃密な泡が作れます。手早く洗顔したい方は、泡で出てくるポンプ式の洗顔料を使うのもおすすめです。
すすぎは30~32℃のぬるま湯を使い、すすぎ残しがないよう十分に泡を落としましょう。特におでこの生え際やこめかみ、フェイスラインは泡が残りやすいため、鏡で確認しながら丁寧にすすぐことが大切です。
洗顔後は清潔なタオルをやさしく肌に押し当て、水分を拭き取りましょう。
しっかり保湿をする
洗顔後は肌表面から水分が蒸発しやすくなっているため、できるだけ早く化粧水で保湿するのがポイントです。化粧水を塗る際も肌に刺激を与えないよう、ハンドプレスでやさしく肌になじませましょう。
化粧水だけで済ませると肌の表面から水分が蒸発してしまうため、必ず乳液を重ねてフタをすることが大切です。乳液だけでは保湿力が足りない場合は、クリームもプラスしましょう。
乾燥肌による赤みを防ぐための対処法
続いて、乾燥肌による赤みを防ぐために日常生活でできる対処法を3つ紹介します。
外部刺激を防ぐ
肌を守るためには、赤みの原因となる紫外線や花粉、ダニ、ハウスダストなどの外部刺激をブロックすることが大切です。
紫外線は日差しが強い春夏だけでなく、秋冬も地上に降り注いでいます。そのため、季節を問わず一年を通して日やけ止めを塗ることをおすすめします。また、波長が長い紫外線A波(UV-A)は窓ガラスや薄いカーテンを通過して室内に入ってくるため、室内でも紫外線対策が必要です。
また、花粉が肌に付着すると炎症による赤みやかゆみが生じることがあるため、外出時はマスクやメガネ、つばの広い帽子などで肌を保護しましょう。花粉の飛散時期は室内の掃除もこまめに行い、空気清浄機で花粉を除去するのもおすすめです。
ダニやハウスダスト対策としては、定期的な換気や掃除などが効果的です。枕カバーやシーツなどの寝具はこまめに洗濯し、常に清潔な状態を保ちましょう。
栄養バランスの取れた食事を摂る
肌のバリア機能を保つためには、肌のターンオーバーの周期を妨げないことが大切です。そのためには、1日3回の食事から肌の新陳代謝に必要な栄養をしっかり摂取しましょう。
ご飯やパンなどの「主食」、肉・魚・卵などの「主菜」、野菜・きのこ・海藻などの「副菜」を組み合わせることで、栄養バランスが整いやすくなります。
肌の細胞の原料となるタンパク質をはじめ、肌のターンオーバーをサポートするビタミンAやビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、亜鉛などを積極的に取り入れましょう。そのほか、皮脂の原料となる必須脂肪酸も肌のうるおいを保つために欠かせません。
十分な睡眠時間を取る
睡眠不足が続くと自律神経のバランスが乱れ、肌のターンオーバーの周期に悪影響を及ぼす可能性があります。ターンオーバーが乱れると肌の赤みにつながるため、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
適度な睡眠時間は年齢や個人によって異なりますが、一般的に6~8時間程度が望ましいとされています。できる限り夜更かしを避けて早寝・早起きを意識し、少なくとも6時間の睡眠時間を確保しましょう。
十分な睡眠をとることで細胞の修復に必要なホルモンが正常に分泌され、肌の赤み軽減につながります。
まとめ
乾燥肌による赤みの原因は、空気の乾燥や花粉・紫外線などの外部刺激、生活習慣の乱れ、間違った洗顔方法などがあげられます。
赤みが出ている際は低刺激性のスキンケアアイテムを使用し、肌をゴシゴシこすらないようにやさしく洗顔することが大切です。適度なスキンケアを意識するのはもちろん、食事や睡眠などの生活習慣も乱さないようにしましょう。
敏感肌の赤みの対処法については、下記の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
「敏感肌の赤みの原因や対処方法は?スキンケアのポイントも紹介」