ナイアシンアミドとは?効果やスキンケア商品の選び方、取り入れる際のポイントを解説

ナイアシンアミドは幅広い美容効果が期待できる成分として、注目を集めています。とはいえ、「ナイアシンアミドとはどんな成分?」「効果的な使い方は?」などの疑問がある方も多いのではないでしょうか。今回はナイアシンアミドで期待できる効果からスキンケアアイテムの選び方、ナイアシンアミドを取り入れる際のポイントまで紹介します。


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ナイアシンアミドとは

ナイアシンアミドは「ビタミンB3」「ニコチン酸アミド」とも呼ばれるビタミンB群の一種です。タラコやカツオ、キノコ類などの食品から摂取できるほか、体内でも必須アミノ酸の「トリプトファン」から合成されます。

ナイアシンアミドは糖質や脂質、タンパク質の代謝やエネルギー産生に関わっているほか、皮膚や粘膜を健康に保つはたらきもあります。通常の食生活でナイアシンアミドが不足することはありません。

しかし、偏った食事により体内のナイアシンアミドが欠乏すると、「ペラグラ」と呼ばれる病気になることがあります。ペラグラが進行すると、発疹が出る皮膚症状や舌炎(舌にできる口内炎)、下痢などの消化管症状、精神障害などの症状が出るおそれがあります。

また、ナイアシンアミドは水に溶けやすい水溶性の性質があり、さまざまなスキンケアアイテムにも配合されている成分です。美容面では、シミの原因となるメラニンの生成を抑えるはたらきや、肌の乾燥・ニキビなどの予防効果が期待できます。

ナイアシンアミドで期待できる効果

次に、ナイアシンアミドで期待できる美容効果を4つ解説します。

シワ改善

ナイアシンアミドは肌の真皮層にある線維芽細胞にはたらきかけ、コラーゲンの生成を促すはたらきがあります。

肌は、加齢や外的刺激などの要因によって真皮のコラーゲン合成機能が弱まると、ハリや弾力が失われてしまいます。ナイアシンアミドはコラーゲンの生成を促し、肌にハリや弾力を与えることでシワの改善や予防が可能です。

なお、ナイアシンアミドは2018年に「シワ改善の有効成分」として医薬部外品に認められています。

シワを改善できるほかの成分については、下記の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

シワを改善できる成分とは|シワの原因や予防、おすすめの商品も紹介

美白(※)・シミ予防(※)

ナイアシンアミドは美白効果も高く、くすみ(※)のない透き通るような肌へ導いてくれます。

紫外線を浴びると肌はメラニンを生成し、肌を守ろうとします。通常、ターンオーバー(=肌の生まれ変わり)とともにメラニンが排出されますが、紫外線を過剰に浴びるとメラニンの排出が追いつかず、シミやソバカスとして肌に残ってしまうのです。

ナイアシンアミドにはメラニンの過剰生成を抑制するはたらきがあり、シミ予防の効果が期待できます。メラニン生成を抑制する成分として医薬部外品に認められています。

日やけ止めと一緒にナイアシンアミドを使えば、シミ予防効果を高められるでしょう。

※美白:メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ
※シミ予防:メラニンの生成を抑えることによる予防のこと
※くすみ:乾燥によるキメの乱れた肌印象

ニキビ予防

ナイアシンアミドは、乾燥が原因のニキビを予防する効果も期待できます。

肌が乾燥すると、肌を守ろうとして皮脂が過剰に分泌されます。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を招いてしまうのです。

ナイアシンアミドには皮脂の過剰分泌を抑制する効果があることから、ニキビ予防にも期待できるでしょう。

肌荒れ予防

ナイアシンアミドには、肌の角層にはたらきかけることでセラミドの合成を促進する作用もあります。セラミドとは肌のうるおいを保つ保湿成分で、角層の肌バリアをケアする役割があります。

ナイアシンアミド配合のスキンケアアイテムによってセラミドが合成されると、肌荒れ予防につながるだけでなく、セラミドの合成によって肌の水分保持も高まり、乾燥も防いでくれます。

ナイアシンアミドを含むスキンケアアイテムの選び方

ナイアシンアミドは低刺激で肌荒れが起こりにくいため、敏感肌や乾燥肌の方を含め、肌質や年代を問わず使用できます。とはいえ、さまざまなスキンケアアイテムが販売されているため、どれを選べばよいか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

ここでは、肌悩みに合うナイアシンアミド配合スキンケアアイテムを選ぶポイントを2つ紹介します。

医薬部外品か化粧品かで選ぶ

ナイアシンアミド配合のスキンケアアイテムは、主に医薬部外品と化粧品の2種類があります。医薬部外品とは、厚生労働省によって効果・効能が認められた成分が、一定の濃度で配合されている製品のことです。医薬部外品は、パッケージに「医薬部外品」「薬用」と表示されています。

一方、化粧品は皮膚や髪などを清潔にする・美化する・健やかに保つなどの目的で使用される製品です。特定の効果・効能は認められていないため、パッケージや広告などには表示できません。

以上のように、化粧品と医薬部外品は明確に分類されているため、求めている効果や肌の状態に合わせて選ぶことをおすすめします。

そのほかの配合成分もチェックする

ナイアシンアミドは刺激が少なく、スキンケアに取り入れやすい成分です。しかし、ナイアシンアミド以外の配合成分によって肌荒れが生じる製品もあります。

そのため、スキンケアアイテムを購入する際はナイアシンアミド以外の成分もチェックするのがポイントです。特に敏感肌の方は、肌への刺激になりやすい成分が含まれていないかをよく確認しましょう。

また、ナイアシンアミドと高濃度のビタミンCは、一緒に使えない場合があります。

特に、ビタミンCの配合率が10~30%以上のものや、海外製で配合率が明記されていないビタミンC製品は、ナイアシンアミドと併用しないように注意しましょう。

スキンケアアイテムを購入する前に、サンプルやトライアルセットなどで試しておくと安心です。

ナイアシンアミドを取り入れる際のポイント

ナイアシンアミドはシワ改善や美白(※)、シミ予防(※)、ニキビ・肌荒れ予防などさまざまな効果が期待できますが、より効果的に使うためには少しの工夫を加えることが大切です。ここでは、ナイアシンアミドを取り入れる際に意識したいポイントを2つ紹介します。

※美白:メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ
※シミ予防:メラニンの生成を抑えることによる予防のこと

朝晩に取り入れる

前述の通り、刺激が少ないナイアシンアミドは敏感肌の方にも使いやすい成分のため、朝と晩の1日2回取り入れると効果的です。

朝の洗顔後、普段使っているスキンケアアイテムにプラスするだけで肌のバリア機能をサポートし、日中の紫外線や乾燥、ほこりなどの外部刺激から肌を守ってくれるでしょう。

また、日中に受けた紫外線や摩擦などのダメージをケアするために、夜のスキンケアにも取り入れてみましょう。肌の修復は寝ている間に行われるため、寝る前にナイアシンアミドを取り入れることで保湿やシミ予防(※)やシワ改善にも期待できます。

※シミ予防:メラニンの生成を抑えることによる予防のこと

他の成分と併用する

ナイアシンアミドは単体でも効果がありますが、下記の成分と併用することもできます。

・レチノール
・トラネキサム酸
・ヒアルロン酸
・サリチル酸(BHA)

レチノールは、ナイアシンアミドと同じくシワのケア成分として医薬部外品に認められています。一方、美白(※)効果を高めたい場合は、シミのケア効果が期待できるトラネキサム酸を併用するのがおすすめです。

肌の乾燥が気になる方は角層の水分量を乱さないヒアルロン酸、ベタつきが気になる方はアクネ菌などの殺菌に有効なサリチル酸(BHA)と併用してみましょう。

※美白:メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ

まとめ

ナイアシンアミドはシワのケアや美白(※)、シミ予防(※)、ニキビ・肌荒れ予防などさまざまな効果が期待できる成分です。肌への刺激が少なく、さまざまな肌質の方が使える点も魅力です。

レチノールやトラネキサム酸など、ほかの有効成分との相性もよいため、ぜひ毎日のスキンケアに取り入れてみてください。

※美白:メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ
※シミ予防:メラニンの生成を抑えることによる予防のこと

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