そもそも化粧水は肌のどこまで浸透(※)するの?
そもそも化粧水は肌のどこまで浸透するものなのでしょうか。まずは、化粧水が浸透する範囲について解説します。
※浸透:角層まで
化粧水が浸透する範囲
人間の肌は、表皮・真皮・皮下組織の3つの層からなっています。
・表皮:肌の最も外側にある0.2mmほどの層。肌のバリアとしての役割をもつ
・真皮:表皮の下にある2mmほどの層。コラーゲンやヒアルロン酸などで構成された、肌の本体ともいえる部分
・皮下組織:肌の最も奥にある層。血管が通っており、肌に必要な栄養を送ったり老廃物を排出したりする
そして表皮の1番外側には、「角層」という0.02mmほどの層があります。化粧水が浸透する範囲は、この角層までです。
角層には肌に異物が侵入したり、肌内部の水分が蒸発しないようにしたりする機能があります。そのため、化粧水の成分も角層を通り抜けて浸透することはないといわれています。
化粧水は意味がないのか
「角層までしか浸透しないなら、化粧水は不要なのでは」という方もいますが、化粧水を角層に浸透させることは肌の保湿に役立ちます。角層には、肌のうるおいを維持する保水機能があるためです。
ただし、化粧水のみだと水分が蒸発して乾燥してしまうため、クリームやオイルなどの油分が多いスキンケアアイテムでコーティングする必要があります。
化粧水が浸透(※)しない原因とは?
化粧水は肌の保湿に欠かせませんが、思うように浸透せずベタつくことがあります。なぜ化粧水が浸透しないのか、主な原因を解説します。
※浸透:角層まで
原因1|肌の乾燥
「肌が乾燥していると化粧水がどんどん浸透するのでは?」と思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、実際には肌が乾燥していると化粧水が浸透しにくくなります。角層は水分が減ると硬くなり、隙間が少なくなるためです。
ちなみに乾燥肌とは「保水できないほど乾燥した肌」を指します。肌が水分を保持できないため、どれだけ化粧水をつけてもすぐに蒸発して乾いてしまうのです。
原因2|角質肥厚
角質肥厚(かくしつひこう)も化粧水が浸透しない原因になります。角質肥厚とは、肌のターンオーバーの周期が乱れたことが原因で不要になった角質が溜まり、分厚くなってしまった状態です。
肌のターンオーバーの周期とは肌の新陳代謝ともいわれる、古い皮膚が剥がれて新たな皮膚に生まれ変わるサイクルのことを指します。肌のターンオーバーの周期が乱れると、古い皮膚が剥がれ落ちず、毛穴周りに蓄積して角層が分厚くなってしまいます。
さらに角層が厚くなると皮脂が分泌されにくくなるため、肌の乾燥が進行し、より一層化粧水が浸み込みにくくなるのです。
なお、紫外線のダメージによって肌のバリア機能が落ちることも、角質肥厚が起こる原因になります。
原因3|セラミド不足
肌の角層の細胞には、細胞間脂質という肌の水分保持やバリア機能の維持に欠かせない脂質が存在します。
その細胞間脂質の主成分が「セラミド」です。セラミドが不足すると肌が水分を保持できなくなるため、化粧水をつけても乾きやすくなります。
セラミドが不足する要因は、乾燥や紫外線、加齢などさまざまです。また、誤った方法での洗顔も、セラミド不足を進行させます。
原因4|合わない化粧水の使用
化粧水にはさまざまな種類があり、自分の肌質に合うものを使用しないと浸透しにくくなります。それどころか、乾燥がひどくなったり肌が荒れたりする場合もあります。
そもそも化粧水の用途は肌の保湿です。肌が乾燥しやすいからと油分が多めの化粧水を使用すると、油分過多になって水分が浸透しにくくなることがあります。
化粧水をつけた後にベタベタする場合は肌質に合っていない可能性があるので、化粧水を見直してみましょう。
原因5|化粧水をつけるタイミング
化粧水をつけるタイミングも重要です。洗顔直後にスキンケアをせず放置すると、肌が乾燥するため化粧水が浸透しにくくなります。
特に入浴後は皮脂が洗い流されていて肌が乾きやすい状態なので、すぐに化粧水をつけないと乾燥が悪化する場合があります。
また、入浴後の肌が湿っているときに化粧水を使うと浸透しやすくなるので、早めにスキンケアを済ませるようにしましょう。
化粧水を浸透(※)させるポイント
ここでは肌にしっかりと化粧水を浸透させるために、押さえておきたいポイントを紹介します。
※浸透:角層まで
ポイント1|洗顔後すぐに保湿する
先述の通り、洗顔後に化粧水をつけずに放置すると肌が乾燥してしまいます。肌が乾燥するとバリア機能も低下するので、肌が乾燥する前、できれば洗顔後5分以内に化粧水を使用しましょう。
ポイント2|化粧水は適量を温めてからつける
化粧水を手のひらで温め、肌にやさしく押し込むようにつけると浸透しやすくなります。また、化粧水の量が多すぎると浸透しきれずに残ってしまうので、パッケージに記載されている目安量を守りましょう。
ポイント3|ブースターを使用する
ブースター(導入美容液)を使用するのもおすすめです。ブースターとはプレ化粧水とも呼ばれる、スキンケアの最初に使う美容液のことです。
先にブースターで角層をうるおわせて柔らかくしてから化粧水をつけると、化粧水が浸透しやすくなります。特に乾燥で角層が硬くなっているときは、ブースターを使うと化粧水のなじみがアップしているのを感じられるでしょう。
◆おすすめ製品
シーボントータルエンハンサー
シーボントータルエンハンサーは、洗顔直後の肌に使う導入(※)化粧液です。うるおいを受け入れやすい肌環境を作り、その後に続くスキンケアアイテムの効果を最大限に引き出しうるおいます。
※導入:洗顔後の最初のステップ
ポイント4|コットンパックをする
コットンパックをすると、手で化粧水をつけるよりも浸透できる場合があります。手順は下記の通りです。
1.ひたひたになるくらいまで、化粧水をコットンにつける
2.コットンを3枚に割く
3.コットンを引き伸ばすように肌に貼り、5分待つ
気になる部分のみパックするのもおすすめです。パック後は手でやさしく肌を押さえ、さらに化粧水を浸透させましょう。
なお、5分以上パックを放置すると逆に乾燥してしまうので、5分以内で終わることが大切です。
ポイント5|ピーリングをする
角質肥厚で化粧水が浸み込みにくいときは、ピーリングも検討してみましょう。ピーリングをすると蓄積した余分な角質が除去されて、化粧水が浸透しやすくなります。
ただし、ピーリングの方法を間違えると肌がダメージを受けるため、メーカー推奨の使用方法を守って慎重に行うことが重要です。
なお、敏感肌・乾燥肌の方や肌が荒れている方は、自身でピーリングをすると肌トラブルを招くおそれがあります。セルフで行う前に皮膚科で相談するか、美容皮膚科でピーリングを受けたほうが良いでしょう。
角質をケアする手段として、酵素洗顔料を使う方法もあります。
◆おすすめ製品
フェイシャリストファーメントパウダーa
フェイシャリストファーメントパウダーaは、ゴワつきのが気になる肌におすすめの酵素洗顔料です。毎日の洗顔に取り入れることで、肌を労わりながら不要な角質をオフできます。
まとめ
化粧水が浸透(※)しにくい原因は、肌の乾燥やセラミド不足、肌質に合わない化粧水の使用などさまざまです。今回紹介した内容を参考に化粧水が浸透しない原因を把握し、適切に対処しましょう。
※浸透:角層まで