シミができやすい人の特徴は?原因や対処法も解説

肌の曲がり角といわれる20代後半に入ると、シミなどの肌トラブルが起きるのではと不安になる方もいるのではないでしょうか。 シミは40代、50代になってもほとんどない人もいれば、若いのにシミができやすい人もいます。シミができやすい肌質の場合でも、早めに対策を講じることで将来発生するシミを予防することが可能です。 今回は、シミができやすい人の特徴と原因、対処法について解説します。


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シミができるメカニズム

シミができる原因となるのが、メラノサイトという色素細胞で作られるメラニン色素です。メラニン色素は、紫外線などの外部刺激を受けることで生成されるもので、それ自体は有害なものではありません。

生成されたメラニン色素が肌に広がると、肌はバリア機能を形成し、外部のダメージから肌を守るという有益な役割を果たします。そして、作られたメラニン色素は時間の経過と共に肌から排出されれば、シミとして残ることはありません。

生成されたメラニン色素の排出に関わるのが、ターンオーバーという肌が新しく生まれ変わる仕組みです。肌のターンオーバーが正常に行われると、新しい細胞が古い細胞を内部から押し出してくるので、メラニン色素を含む古い細胞も徐々に剥がれ落ちます。

しかし、肌のターンオーバーが乱れたり、メラニン色素が過剰に生成されたりすると、メラニン色素が排出されずに残り、細胞内に蓄積・色素沈着を起こしてシミとなるのです。

シミの種類

気づいたらできてしまっているシミですが、シミには種類があり、それぞれに原因や特徴が異なります。代表的なシミの種類と原因を紹介します。

老人性色素斑

日光性黒子とも呼ばれるシミで、紫外線による刺激が主な原因です。シミのなかでも一番多いタイプで、紫外線が当たりやすい頬の高い位置や手の甲、すねなどに多く見られます。

「老人性」と名付けられている通り、加齢によって肌のターンオーバーが低下することでできやすくなるものの、20代、30代の若い人でもできることがあるので注意が必要です。

炎症後色素沈着

ニキビや虫刺され、傷などによって肌が炎症を起こした後に生じるシミです。炎症が肌に刺激となることでメラニン色素が過剰に生成され、作られたメラニン色素が肌に蓄積されて色素沈着を起こします。

炎症後色素沈着の場合、通常は肌のターンオーバーが繰り返されることで自然と消えていくことが多いものの、紫外線を浴びるとシミとして残りがちです。

肝斑

頬の高い位置や目の周りに左右対称にできるシミで、色は薄茶色や茶褐色で境界線がはっきりしておらず、ぼんやりとしているのが特徴です。

女性ホルモンのバランスが大きく関係していると考えられており、妊娠中やピルを服用している人、更年期に差し掛かっている30代後半以降の女性に多く見られます。

雀卵斑

鼻や頬を中心に顔に散在する茶褐色の小さなシミで、一般的に「そばかす」と呼ばれます。顔にできるイメージがありますが、実際には手や腕、背中や胸、肩などにできることもあり、できる部位は限定されていません。

主に遺伝的な要因でできるもので、幼少期からできるケースが多く、思春期でピークになります。思春期を過ぎると薄くなることが多いものの、個人差はあります。

後天性真皮メラノサイトーシス

頬の高い部分に左右対称にできることが多い灰色~褐色のシミです。ほかのシミと違って真皮の深い部分にできるため、シミというよりアザに近いといえます。

後天性真皮メラノサイトーシスについては原因がわかっていませんが、思春期以降の女性に多くできるのが特徴です。

シミができやすい人の特徴とは?

同じように紫外線を浴びていてもシミができない人もいれば、すぐにできてしまう人もいます。シミができやすい人にはどんな特徴があるのか、みていきましょう。

【特徴1】肌の色が白い

一般的に、肌の色が白い人はメラニン色素の量が少なく、紫外線を浴びると防御反応としてメラニンが過剰に作られやすい傾向にあります。そのため、大量に作られたメラニンが肌のターンオーバーで排出されにくく、シミができやすいのです。

【特徴2】両親にもシミが多くみられる

雀卵斑や後天性真皮メラノサイトーシスなどシミの種類によっては、遺伝的な要因が大きく関係しています。もしも両親のいずれか、もしくは両方にシミが多くみられるようなら、遺伝的にシミができやすい体質を受け継いでいる可能性が高いです。

【特徴3】肌が乾燥している

乾燥した状態の肌は、シミができやすいので注意が必要です。肌の一番外側の角層に備わっている肌のバリア機能は、水分と油分のバランスが保たれることで十分に機能し、外部刺激から肌を守ることができています。

乾燥した肌は水分が減少した状態にあるため、肌のバリア機能が低下し、紫外線などの外部刺激の影響を受けやすくなります。そのため、メラニン色素が大量に生成され、シミができやすくなるのです。

加えて、バリア機能が低下した肌は肌のターンオーバーも乱れてしまい、古い角質が溜まりやすくなります。その結果、生成されたメラニン色素が排出されにくくなり、シミが発生する原因となります。

【特徴4】肌にダメージを与えている

肌にシミができやすい人の他の特徴として、肌にダメージを与えていることがあげられます。もちろん、故意に肌にダメージを与えることはないとしても、何気なくやっている普段のケアが肌へのダメージを与える原因となっている可能性はあります。

下記に当てはまる点はないか確認してみましょう。

・洗顔のときに肌をゴシゴシとこする
・熱めのお湯で洗顔する
・洗顔後にタオルでゴシゴシと拭く
・スキンケアはコットンを使って強くパッティングする
・こするようにしてファンデーションをなじませている

このような肌にダメージを与えるようなケアを行っていると、肌を保護しようとしてメラニン色素が大量に生成されるため、シミができやすくなります。紫外線対策をしっかりと行っていてもシミができやすい人は、スキンケアに問題がないか見直してみましょう。

【特徴5】生活習慣が乱れている

寝る時間や食事の時間がバラバラ、睡眠不足や偏った食事が習慣化しているなどの生活習慣の乱れもシミができやすくなる原因です。

例えば、睡眠不足だと肌のターンオーバーの低下につながるため、メラニン色素の排出がスムーズに行われにくくなります。

食生活についても同様で、糖分や脂肪分、食品添加物などが多い食事はメラノサイトを刺激してメラニンの生成を促す活性酸素を増加させる原因となります。シミを予防したいなら生活習慣を見直すことも大切です。

今から始めたい!シミの予防策

シミができやすい人でも、努力次第でシミの発生を極力抑えることは可能です。シミ予防のために実践したいスキンケアと生活習慣を紹介しますので、今から実践してみましょう。

【予防策1】UV対策をする

UV対策をしっかりと行うのがシミ予防の基本です。紫外線が強い季節や晴天の日だけでなく、季節や天気を問わず、1年を通してUV対策を行いましょう。

具体的には、外出時には日やけ止めをしっかりと塗り、日傘や帽子、サングラスなどを利用することが大切です。また、室内にも紫外線は入り込むので、室内でのUV対策も怠らないようにしましょう。

紫外線対策についてより詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
【基礎講座】紫外線のダメージから肌を守る!正しい防御方法

【予防策2】睡眠の質を高める

睡眠中は肌のターンオーバーの促進に必要な成長ホルモンが多く分泌されます。睡眠時間をしっかりととることも大切ですが、特に意識したいのが睡眠の質です。

成長ホルモンは、入眠後3時間のうちに深い眠りに入ったときに分泌が活発になるといわれています。したがって、寝る前は部屋の照明を暗めにしたり、リラックスできる音楽やアロマを楽しむなどしたりして、ぐっすりと眠りやすくなるような環境を整えるのがおすすめです。

【予防策3】スキンケアは丁寧に行う

肌のバリア機能を高め、シミの生成を防ぐため、しっかりと保湿ケアを行いましょう。肌を保湿する際は、こすったり、叩いたりしないように、やさしくケアしてください。

また、間違った洗顔は肌にダメージを与える要因となります。洗顔時は洗顔フォームをしっかりと泡立てて、こすらないように洗いましょう。

・適切な洗顔方法を詳しく知りたい方はこちら
洗顔の上手な泡立て方とは?適切な洗顔方法やNG例を紹介

【予防策4】飲酒や喫煙の頻度を減らす

飲酒や喫煙は活性酸素の発生を促進し、ビタミンCなど抗酸化作用のある栄養素を大量に消費します。また、喫煙は血液の流れを悪化させ、肌のターンオーバーの低下につながることもわかっています。

シミの予防には、できれば飲酒や喫煙は避けるのが望ましいでしょう。完全に断つのが難しい場合は、頻度を減らして摂取量を抑えるのも効果的です。

【予防策5】食事の栄養バランスを考慮する

肌を作るのに必要となる栄養素をしっかりと摂取することもシミ予防につながります。シミを防ぐために特に積極的に摂りたい栄養素は下記の通りです。

・タンパク質:肌の材料となる栄養素
・ビタミンA:肌のターンオーバーを促す
・ビタミンE:抗酸化作用がある。肌のターンオーバーを促す
・ビタミンC:抗酸化作用がある。メラニン色素の還元を促す

これらの栄養素を意識的に摂取しつつ、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

まとめ

できてしまったシミをセルフケアでなくすのは難しいため、シミは予防するのが一番です。特に、シミができやすい人は、UV対策をしっかりと行い、丁寧なスキンケアを実践しましょう。生活習慣や食生活でも見直すべき点がないか確認して、必要な対策をとることでシミのない肌を目指してください。