クレンジングと洗顔の違い
ほこりや汗、皮脂、角質、メイクなど、顔に付着している汚れにはさまざまな種類があり、それぞれ違う成分でできています。クレンジング・洗顔と、顔を洗う工程がふたつに分かれているのは落とす汚れの種類が異なるためです。
クレンジングと洗顔、それぞれどのような役割があるのかを解説いたします。
クレンジングの役割
クレンジングは、メイクや皮脂汚れを落とす役割をもっています。また、毛穴につまった角栓や汚れによる黒ずみなどにも効果的です。
洗顔の役割
洗顔は皮脂や汗、ほこり、花粉などの汚れを落とすために行います。また、クレンジングは油分が強く、水で洗い流すだけでは十分に落としきれないため、残ったクレンジング剤を洗い流すのも洗顔の役割のひとつです。
クレンジングと洗顔は併用した方が良い?
クレンジングと洗顔、どちらかひとつでは肌の汚れが残りやすくなってしまいます。
疲れている日などは「今日は日やけ止めだけだし、洗顔だけで良いか」と思ってしまうかもしれませんが、どんなにすっぴんに近い状態であっても、クレンジングはしたほうがいいでしょう。日やけ止めや皮脂汚れを肌に残したままでいるのも、肌荒れを招く原因となってしまいます。
肌トラブルの予防やスキンケアの効果を高めるためには、肌の汚れをしっかり落とさなければなりません。日頃からクレンジングと洗顔のダブル洗顔を習慣化させましょう。
ただし、ダブル洗顔は汚れをしっかり落とせる半面、肌の摩擦による刺激が大きく、乾燥を招きやすくなる点に注意が必要です。洗い終わったらできるだけ早く化粧水などで水分を補い、丁寧に保湿しましょう。
また、日やけ止めを使っている際のクレンジング方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
「日やけ止めにクレンジングは必要?適切な落とし方やおすすめのタイプ」
適切なクレンジング&洗顔の方法5ステップ
クレンジングと洗顔は適切な方法で行うことが大切ですが、「いまさら人には聞けない」と、自己流のままになっている方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここからはクレンジングと洗顔の方法を5ステップに分けてお伝えします。適切な方法を取り入れ、汚れを落としつつもやさしい洗い方をマスターしましょう。
1.クレンジングをする前に手をきれいに洗う
1つ目のステップは、手洗いをしておくことです。
一見きれいに見えていても、さまざまな場所に触れている手には細かい汚れや雑菌が付着しています。汚れを落とすためのクレンジングで、肌トラブルを招いてしまっては意味がありません。ハンドソープや石けんで手をきれいに洗ってからクレンジングを始めましょう。
クレンジングの中には、濡れた手では使えない製品も多くあります。汚れを落とす効果を妨げないように、手を洗ったあとはしっかりとふき、水気を取っておきましょう。
2.クレンジングを手で温める
2つ目のステップでは、手にクレンジングをのせます。
まずはクレンジングを適量出し、手のひら全体に伸ばしてください。保管状態にもよりますが、クレンジングはそのまま顔に伸ばすとヒヤッと冷たく感じられることでしょう。手のひらに伸ばすのは人肌に温められ、伸びが良くなるためです。
アイメイクやリップなどのポイントメイクはほかの部位よりも落ちにくいため、専用のリムーバーを使って先に落としておくと良いでしょう。リムーバーを浸らせたコットンを使い、摩擦を起こさないようやさしく落としてください。
ポイントメイクの基本的な落とし方は、以下のとおりです。
<アイメイク>
コットンをまぶたの上に数秒置き、アイシャドウやマスカラになじませてからふき取る。
<リップ>
コットンを唇の上に数秒置いて口紅となじませ、口角からふき取る。
3.クレンジングをなじませる
3つ目のステップでは、いよいよクレンジングを顔になじませていきますが、ここで大切なのはクレンジングの順番です。
<1:額>
まずは額、両側の頬、あご、鼻筋の5点にクレンジングをおきます。額の中央からこめかみに向かってなじませていきましょう。塗り込むのではなく、優しく円を描くようにマッサージしながら広げていくのがポイントです。
<2:鼻筋、小鼻>
おでこのあとは、眉間から鼻先の間を上下にやさしく滑らせていきます。小鼻はきわまでクレンジングがいきわたるよう、くるくると小さな円を描くようになじませます。
<3:鼻の下、口周り>
鼻の下や口周りは、中央から外側へと広げていくようになじませていきます。
<4:頬、あご>
手のひら全体を頬にあて、あごの中心から外側に円を描きながらなじませていきます。
<5:目の周り、フェイスライン>
目の周りは指の腹を使います。まぶたの内側から外側へとやさしく指をすべらせてください。あごは片方ずつ反対の手の平をあて、フェイスラインをなぞるようになじませましょう。
クレンジングをなじませる工程はすみやかに行う必要がありますが、焦らなくても大丈夫です。顔のすみずみまでいきわたるよう、順を追って丁寧に行いましょう。
4.ふき取りまたは洗い流す
4つ目のステップはふき取り、または洗い流しです。
クレンジングを落とす方法は製品ごとに異なりますので、パッケージに書いてあるとおりに行いましょう。
<ふき取りの場合>
余分な油分を押さえるようにティッシュ等でクレンジングをやさしくふき取り、30~32℃のぬるま湯で軽くすすいでから洗顔に進みましょう。
<洗い流す場合>
30~32℃のぬるま湯でクレンジングを洗い流し、洗顔に進みます。
熱すぎるお湯は、肌に必要な油分まで洗い流してしまい、肌悩みにつながりやすくなるので注意してください。
また、シャワーの水圧は肌への刺激になるため、直接顔にかけるのは避けましょう。両手でぬるま湯をすくって肌になじませ、いたわるようなやさしさで洗い流すのがおすすめです。
5.洗顔する
5つ目のステップは、洗顔です。ダブル洗顔不要の製品をのぞき、クレンジング後は洗顔料で洗い流します。
洗顔前は顔を軽くぬらしておき、たっぷりと泡立てた洗顔料を顔にのせていきましょう。弾力のあるもっちりとした泡にすることで、摩擦を軽減することができます。泡を肌の上で転がしていくように、手のひらで顔全体を洗ってください。
洗い終わった後は、クレンジングと同じくぬるま湯で洗い流します。すすぎ残しがないよう、しっかり洗い流しましょう。水気を丁寧にふき取ったら、洗顔は終わりです。
クレンジングと洗顔で注意するポイント
クレンジングと洗顔は、肌をすこやかな状態へと整えるために行うものです。しかし、適切ではない方法で行ってしまうと、摩擦による肌ダメージを招いてしまうので注意しましょう。ここでは、クレンジングと洗顔で気を付けるべきポイントを解説します。
こすらずやさしくなじませる
汚れをしっかり落とそうとして肌を強くこすってしまうのは、クレンジングと洗顔どちらも厳禁です。
摩擦による肌ダメージは、乾燥やシワなどの肌悩みを引き起こす原因になります。特に目元や口元は皮膚が薄いため、クレンジングや洗顔での刺激はできるだけ避けるよう気を付けましょう。
また、クレンジングや洗顔は肌の汚れを取り除くために必要な一方で、時間をかけすぎると肌の負担になってしまうおそれがあります。メイクや汚れを残さないよう丁寧に行いつつも、手早く進めましょう。
適量のクレンジングを使う
クレンジング製品の目安とされる使用量を守ることも大切です。
「今日は薄いメイクだから」と、自分のさじ加減でクレンジングの量を減らさずに、肌の摩擦をやわらげるためにも規定量を守りましょう。
少量でクレンジングをすると摩擦が起きやすくなり、メイクを十分に落とすまでに時間もかかりやすくなります。製品の適量を確認し、十分な量を使ってクレンジングをしましょう。
まとめ
クレンジングと洗顔は「顔の汚れを落とす」という意味は同じでも、落とせる汚れの種類や役割が異なり、どちらも肌をきれいに保つために欠かせません。毎日の習慣として行うため、適切なやり方を覚えておくことが大切です。スキンケアの基本であるクレンジングと洗顔をマスターし、美しい肌をキープしましょう。