敏感肌は『バリア機能の低下』で起きやすい!
敏感肌とは、ほんの少しの刺激に対して肌トラブルが起こりやすい状態の肌を指します。敏感肌にみられる症状としては下記の通りです。
・顔を洗ったあとに肌がヒリヒリする
・化粧水をつけたときにピリピリと刺激を感じる
・虫に刺されたわけではないのに肌にかゆみがある
・肌に炎症が起こり、赤くなっている
・かゆみをともなう、赤いポツポツした湿疹ができた
敏感肌による肌荒れは、「バリア機能の低下」によって引き起こされると考えられています。
バリア機能は、外部刺激から肌を守るために備わっています。肌の一番外側、厚さ0.02mmの「角層」と呼ばれる部分がバリア機能の大切な役割を担っています。
しかし、なんらかの原因でバリア機能が壊れてしまうと、肌は外部刺激に対して無防備な状態になります。わずかな刺激でも肌が過敏に反応して、ヒリヒリ・かゆみ・赤み・湿疹などの肌荒れが生じやすくなるのです。
バリア機能の低下につながる4つの原因
バリア機能の低下を引き起こす要因として、主に次の4点があげられます。
・乾燥
・紫外線によるダメージ
・誤ったスキンケア
・生活習慣の乱れ
それぞれを詳しくみていきましょう。
乾燥
敏感肌になる大きな原因として、乾燥肌があげられます。肌が乾燥するとバリア機能が低下し、ささいな刺激で肌が過敏に反応しやすくなります。
乾燥は季節的な要因だけでなく、「エアコンの効いた部屋で過ごす」「入浴後や洗顔後すぐにケアをしない」といったシーンでも生じやすいため、注意が必要です。
紫外線によるダメージ
紫外線を長時間浴び続けると表面の角層が乾燥などのダメージを受け、バリア機能が低下することがあります。バリア機能が低下すると内部に水分を留めておけなくなり、肌の乾燥が進行します。
また乾燥がバリア機能の低下に拍車をかけ、紫外線をはじめとする外部刺激に弱くなり敏感肌に傾きがちです。
誤ったスキンケア
健やかな肌を保つには、毎日のスキンケアで汚れを落とし、保湿することが大切です。しかし、スキンケアはやり方を間違えると逆に皮膚に負担をかけて、バリア機能を低下させるリスクがあります。
特に下記のようなスキンケアは、敏感肌を招くおそれがあるので注意しましょう。
・汚れを落とすために、ゴシゴシこすって洗顔している
・ピーリングを毎日している
・クレンジングシートでゴシゴシこすってメイクオフしている
・1日に3回以上、汗をかくたびに洗顔している
・洗浄力の強いクレンジング料や洗顔料を使用している
・顔を洗う際に洗顔料を十分に泡立てていない
・顔を洗う際に熱いお湯を使っている
・洗顔後の保湿は化粧水のみで、乳液・保湿クリームを使っていない
そのほか、肌に合わないスキンケアアイテムを使い続けることもバリア機能を低下させる一因です。
生活習慣の乱れ
日々の生活習慣のなかにも、バリア機能を低下させる原因が潜んでいます。不健康な生活や偏った食事をしていると肌のターンオーバーの周期が乱れ、バリア機能の低下につながります。
特に、次のいずれかに該当する場合は敏感肌になりやすい傾向があります。
・外食が多く、食事を食べる時間がまちまち
・好き嫌いが多く、食生活が偏っている
・毎日たくさんお酒を飲む
・仕事が忙しく、十分な睡眠時間が確保できない
・運動する習慣がない
・喫煙習慣がある
健やかな肌をキープ!敏感肌の対策
敏感肌になったときの対処法は次の通りです。適切なケアでバリア機能の低下を防ぎ、健やかな状態に近づけましょう。
・丁寧なクレンジング・洗顔をする
・保湿をする
・紫外線対策をする
・栄養バランスの取れた食事をする
・質のよい睡眠をとる
ここでは、それぞれのポイントを詳しく解説します。
丁寧なクレンジング・洗顔をする
メイク汚れは肌に負担をかけるため、肌が敏感になっているときは特に丁寧に落とすことが大切です。できるだけ洗浄力がマイルドなクレンジングを使いましょう。
洗顔の際にゴシゴシこすると肌に摩擦が生じ、乾燥を招く原因にもなるため、やさしく洗うことを心がけてください。すすぐときは、30〜32℃程度のぬるめのお湯で洗うのがポイントです。
保湿をする
肌の乾燥は敏感肌を招くため、しっかり保湿しましょう。肌が過敏でヒリヒリするから、ニキビがあるからといって化粧水だけで済ますと、さらに乾燥が進むおそれがあります。
化粧水で水分を補給した後は、乳液やクリームを使ってうるおいを肌に閉じ込めることが大切です。
脂性肌であっても、保湿は欠かせません。皮脂の過剰分泌も敏感肌によくみられる症状のひとつです。皮脂分泌が増えた肌は「敏感オイリー」「敏感混合肌」と呼ばれ、一見うるおっているように見えても実は乾燥しています。
特に、過剰な皮脂分泌によって生じるニキビや脂漏性皮膚炎などが敏感肌を招く要因にもなるため、十分な保湿を心がけてください。
敏感肌になると、普段のスキンケアアイテムが合わなくなることがあります。その場合は、一時的に敏感肌用のものに切り替えて、保湿ケアに取り組みましょう。
敏感肌のスキンケアについては、下記の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
「敏感肌向けスキンケアの基礎知識!スキンケアの注意点や化粧品の選び方を解説」
紫外線対策をする
紫外線は一年中降り注いでいるため、季節を問わず日やけ対策が必要です。毎朝のスキンケアに取り入れて、日やけ止めを通年使用しましょう。
肌が敏感なときは保湿成分入りのものや、石けんで落とせる日やけ止めがおすすめです。長時間の外出、真夏のお出かけには日傘や帽子も併用してください。
栄養バランスの取れた食事をする
外部刺激に負けない健康的な肌を保つには、栄養バランスが取れた食事が欠かせません。肌は、毎日の食事から摂取する栄養で作られます。
敏感肌が気になる場合は、次の栄養素を積極的に摂りましょう。
栄養素 | 主なはたらき | 食べ物 |
たんぱく質 | 肌を作る材料となる | 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 |
ビタミンA | 肌のうるおいを保つ | 卵黄、レバー、にんじん、かぼちゃなど |
ビタミンB群 | 皮膚や粘膜を正常に保つ | 卵、牛乳、納豆、乳製品など |
ビタミンC | 抗酸化作用をもち、シミ・ソバカスの原因となるメラニンの生成を抑える | ブロッコリー、パプリカ、キウイ、イチゴなど |
ビタミンE | 血行を促進し、肌のターンオーバーの周期をサポートする | 植物油、アーモンド、アボカドなど |
食物繊維 | 腸内環境を整え、栄養の吸収をよくする | 大根、モロヘイヤ、ひじき、しいたけなど |
必須脂肪酸 | 血行を改善し、皮膚や粘膜を強化する | 牛ロース、豚ロース、うなぎ、ごまなど |
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栄養の偏りを避け、さまざまな食材からバランスよく摂る必要があります。
質のよい睡眠をとる
肌のコンディションを良好な状態に保つためには、質のよい睡眠をとることが大事です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは肌の修復を促す効果があるといわれています。
睡眠不足の場合、成長ホルモンの分泌量が少なくなり、肌が十分に回復されず、乾燥の原因となります。成長ホルモンは入眠してから約3時間後までの間に盛んに分泌されるので、なるべく7時間の睡眠時間を確保するようにしましょう。
睡眠の質をよくする方法として、下記があげられます。
・就寝1時間前までにPCやスマートフォンの操作をやめる
・部屋の照明を落とす
・寝る前にカフェインやアルコールの摂取は避ける
・就寝1~2時間前に湯船につかり、体を温める
普段の生活を少し見直すだけで睡眠の質が向上するため、ぜひ取り組んでみてください。
まとめ
健康的な肌は、角層に備わったバリア機能によって保たれています。乾燥や紫外線、生活習慣の乱れなどによってバリア機能が低下すると敏感肌を招くことがあるため、かゆみや赤みに気がついたら早めに対処することが大事です。
毎日の生活を見直すとともに、自分に合うスキンケアアイテムでしっかりケアを心がけましょう。