薄肌の特徴
薄肌の方には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは代表的な特徴を詳しく解説します。自分が薄肌かどうか、チェックしてみましょう。
特徴1|角層が薄い
薄肌の方は、角層が薄いため肌のバリア機能が弱く、うるおいを保つ力が低下しています。
角層とは、「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4層で構成されている表皮の一番外側の層です。角層には、NMF(天然保湿因子)や細胞間脂質といったバリア機能が備わっており、肌のうるおいを保ち、外部刺激から守る役割を果たしています。
しかし、角層が薄いとバリア機能が弱まり、乾燥や紫外線、摩擦などの影響を受けやすくなります。
特徴2|乾燥しやすい・ハリがない
薄肌の方は、水分を保持する力が弱いため、肌が乾燥しやすい傾向にあります。乾燥した肌はハリや弾力を失いやすく、放置するとシワやもたつきの原因にもなります。
このような事態を防ぐには、スキンケアで十分な保湿を行うことが重要です。
特徴3|外部からの刺激に弱い
薄肌の方は、紫外線やちょっとした摩擦など、外部からの刺激を受けやすいのも特徴です。紫外線は肌の老化やシミ・ソバカスの原因になるだけでなく、乾燥も引き起こします。
さらに、薄肌の方は花粉やほこり、ニキビ跡といった軽微な刺激にも敏感に反応し、肌荒れなどにつながりやすい傾向があります。これらの外部刺激から肌を守るためには、日頃から紫外線対策や肌のバリア機能をサポートするケアが欠かせません。
特徴4|肌が白くシワやもたつきが目立ちやすい
薄肌には、キメ細かく白い肌をもつ方が多くいます。そのため、一見すると美肌に見られることが多いのが特徴です。
しかしその一方で、薄肌はシワやもたつきが目立ちやすい傾向があります。また、肌が薄いことで毛細血管が透けて見えやすく、赤みやクマが強調されるかもしれません。
薄肌はその特性上、ケア次第で美しい肌を保つことが可能であるものの、トラブルが起きやすい繊細な肌質でもあるため丁寧なケアが欠かせません。
薄肌になる原因
なぜ薄肌になってしまうのでしょうか。主な原因について詳しく解説します。
薄肌の原因1|過度なスキンケア
スキンケアは肌を守るために大切ですが、やり過ぎると逆に肌に負担をかけ、薄肌を招く可能性があります。
例えば、洗顔を頻繁に行ったり、クレンジング時に強くこすったりすると、バリア機能が低下して必要な皮脂や水分が失われてしまいます。また、ピーリング剤やスクラブ入り洗顔料の使いすぎ、毛穴パックの多用も肌を傷つける原因となるため注意が必要です。
さらに、肌への効果を期待して受ける美容医療(ケミカルピーリングやレーザー治療)も頻度が高すぎると、肌が刺激を受け続けることとなり、薄肌につながる可能性があります。
薄肌の原因2|加齢
年齢を重ねることで、肌自体に変化が起こり、薄肌の原因になることがあります。
・水分量の減少
加齢により肌の水分保持能力が低下し、乾燥しやすくなります。乾燥した肌は角層がもろくなり、外部刺激を受けやすくなるため、結果として皮膚が薄くなります。
・コラーゲンやエラスチンの減少
肌の弾力やハリを支える成分であるコラーゲンやエラスチンも加齢とともに減少します。そうすると、真皮の厚みも薄くなり、肌にシワやもたつきが生じやすくなります。
薄肌の原因3|肌のバリア機能の低下・肌のターンオーバーの周期の乱れ
肌の健康を保つために重要なバリア機能の低下とターンオーバーの周期の乱れも、薄肌を招く原因です。
・肌のバリア機能の低下
バリア機能は、肌の水分を保ちつつ、外部刺激から守る役割を果たします。この機能が低下すると、肌が乾燥しやすくなり、外部刺激を受けやすくなるため、薄肌を招きやすくなるのです。
肌のバリア機能の低下の原因としては、乾燥、過剰なスキンケアなどがあげられます。
・肌のターンオーバーの周期の乱れ
肌のターンオーバーとは、肌細胞が新しく生まれ変わる仕組みのことです。肌のターンオーバーの周期が早まると、未熟な細胞が表面に押し上げられ、角層が十分に形成されないまま肌表面に現れるため、角層が薄くなってしまいます。
肌のターンオーバーの周期の乱れは、乾燥や不規則な生活習慣などが原因としてあげられます。
薄肌の人がスキンケアで意識したいポイント
角層が薄く、外部刺激に敏感に反応しやすい薄肌は、スキンケア方法によっては悪化する可能性があります。そのため、肌への刺激を最小限に抑え、やさしいケアで肌を整えることが大切です。
ここでは、薄肌の方がスキンケアで意識すべきポイントを紹介します。
肌への負担が少ないクレンジング・洗顔をする
クレンジングや洗顔は、メイクや汚れを落とす大切なステップですが、薄肌の方はなるべく肌に負担をかけないように注意が必要です。
・クレンジング
メイクを落とす際は、ゴシゴシとこすらず、やさしくなじませるのが基本です。また、クレンジング剤を肌に長時間置くと必要な皮脂まで奪ってしまいます。クレンジング剤がメイクとなじんだら、手早く落とすよう心がけましょう。
・洗顔
洗顔料はしっかりと泡立て、泡で包み込むように洗います。洗顔ネットを使うと泡立てが簡単ですが、ネットを肌に直接当てるのは避けましょう。洗顔ブラシの使用も肌への刺激となりやすいため、手でやさしく洗うのがおすすめです。
洗顔の上手な泡立て方について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
「洗顔の上手な泡立て方とは?適切な洗顔方法やNG例を紹介」
保湿はたっぷりと行う
薄肌は水分をキープしにくく、乾燥しやすいため、保湿ケアが非常に重要です。乾燥が進むと肌のバリア機能が低下し、肌荒れなどのトラブルやシワ、もたつきの原因になります。
特に洗顔後は、肌が乾燥しやすいタイミングなので、速やかに化粧水や乳液、クリームで保湿を行いましょう。保湿成分が豊富に含まれたスキンケアアイテムを選び、たっぷりとうるおいを与えることが大切です。
正しい保湿方法について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
「保湿ケアで乾燥肌対策!正しい保湿方法とおすすめアイテム」
紫外線対策も忘れずにする
顔の皮膚は紫外線に直接さらされやすいため、紫外線対策は薄肌のケアに欠かせません。紫外線はコラーゲンを分解して肌を薄くするだけでなく、肌の乾燥、シミやもたつきなどの光老化を引き起こします。
紫外線対策として、下記のような点を心がけましょう。
・1年を通して日やけ止めを使用する
・外出時は帽子や日傘などを活用する
日やけ止めの塗るタイミングやテクニックについて詳しく知りたい方はこちら
「日やけ止めは『こまめに塗り直し』が鉄則!タイミング&テクを解説」
角質ケアはやりすぎない
適度な角質ケアは肌をなめらかに保つなどの効果が期待できますが、やりすぎは薄肌を進行させる原因となります。
ピーリングやスクラブ配合の洗顔料は、使用方法と頻度を守り、頻繁に使いすぎないようにしましょう。使用後のすべすべ感に魅力を感じるかもしれませんが、過剰なケアは肌への負担になるため注意が必要です。
薄肌は日常生活からケアをしよう
薄肌の方は、ちょっとした刺激や生活習慣の乱れで肌にトラブルが起きやすい傾向があります。肌を守るために、日常生活で意識したいポイントは下記の通りです。
・カフェインやアルコールを控える
カフェインやアルコールは毛細血管を拡張させ、顔の赤みを悪化させることがあります。 ノンカフェインの飲み物(麦茶やルイボスティーなど) を飲んだり、アルコールを適量に抑えたりして摂取量に注意しましょう。
・寒暖差に気を付ける
寒暖差が大きい環境では血管の拡張・収縮機能が乱れ、赤みや目元のクマが目立ちやすくなります。室温や湿度を適切に保つとともに、寒暖差のある場所を行き来する際は衣類で調整するなど工夫しましょう。
・質の高い睡眠をとる
睡眠中は肌の修復を促す「成長ホルモン」が分泌されます。成長ホルモンは入眠後3時間の間に多く分泌されるといわれているため、睡眠時間を十分に確保し、寝室環境を整えてぐっすり眠るよう努めましょう。
まとめ
「薄肌」とは、角層が薄く、外部刺激の影響を受けやすい肌を指し、乾燥や赤みなどのトラブルを抱えやすい状態です。原因としては過度なスキンケアや加齢、バリア機能の低下などがあげられます。
薄肌を守るには、肌を刺激しない洗顔や十分な保湿、紫外線対策が欠かせません。また、日常生活ではカフェインやアルコールを控え、十分な睡眠を心がけることも大切です。適切なケアで健やかな肌を目指しましょう。